Android 5.1.1とWindows 10が一台で使える9.7インチタブレット「Teclast X98 Pro」のレビュー
Android と Windows のデュアルブートタブレットでお馴染み、台湾メーカー Teclast から 9 月に発売された、Intel Atom X5 や 4GB RAM を搭載したハイスペックモデル「Teclast X98 Pro」を入手したでの紹介します。
X98 Pro は、9.7 インチ 2,048 x 1,536 ピクセルという iPad サイズの IPS 液晶ディスプレイを備えたタブレットです。この製品では Android 5.1.1 と Windows 10 のデュアルブート仕様となっています。一台で 2 つの OS を利用できます。
また、Android ではおそらく初となる、Intel Atom X5 Z8500 “Cherry Trail” クアッドコアプロセッサを搭載しています。また、RAM 容量も 4GB と Windows タブレット寄りの仕様となっており、Android でも高い性能を期待できます。
このほか、64GB RAM、Micro SD カードスロット、背面に 500 万画素カメラ、前面に 200 万画素カメラ、8,000mAh バッテリー、HDMI 出力端子などを搭載し、Wi-Fi b/g/n、Bluetooth v4.0 に対応しています。
※ この記事で紹介するにあたり、香港のガジェットショップ Gear Best からレビュー用として商品の提供を受けています。
Gear Best
URL:http://www.gearbest.com/tablet-pcs/pp_231370.html
X98 Pro は上記のリンク先で $229(約 28,000 円)というかなり安い値段で販売されています。
同梱品は、X98 Pro 本体、USB ケーブル、USB アダプタ、電源アダプタ、取説などの書類です。台湾メーカーの製品なので箱や説明書は中国語または英語表記となっていますが、端末自体は日本語にも対応しているので、設定メニューで切り替えれば日本語化されます。
まず気になるのは iPad を強く意識した外観です。背面はメタル感溢れれる外観ですが、触ってみると、少しプラスチック感のあるチープな感じでした。また、実際の iPad よりも作りの粗さを感じます。それでも、ディスプレイはラミネート加工が施されており、タッチした感触はなかなか良好です。
ディスプレイ両サイドのベゼルは 9.5mm という狭額縁の設計で、本体の厚みは 7.8mm とスリム、質量は 528g と軽量です。9.7 インチタブレットながらも非常にスリムで軽い端末です。
安い製品に対しては、「安かろう悪かろう」という言葉が浮上します。X98 Pro にもそれは大なり小なり当てはまるのですが、現時点でそう感じるのは外装とバッテリーの持ちくらいで、Android と Windows 10 の動作については特にこのような印象を感じませんでした。
X98 Pro には Android 5.1 と Windows 10 がプリインストールされており、起動時にどちらの OS を利用するのかを選択する仕組みです。PC で一般的なデュアルブート仕様です。Android は Google Play 対応です。
端末の電源ボタンを ON にすると OS の選択画面が表示され、どちらか利用したいものをタップしてアクティブにし、「OK」をタップするとブートします。
OS 領域については、64GB の ROM を Android 用に 20GB(使用済み 2.9GB)、Windows 10 用に 44GB(使用済み 18.2GB)のパーティションに分けてします。そのため、お互いに別の OS の領域にはアクセスできない仕組みです。
X98 Pro では Android と Windows 10 のどちらにも別の OS への切り替えボタンがあるので、OS の切り替えは比較的スムーズです。
Android と Windows のデュアル採用で何が嬉しいのかというと、一番はこれまで Android タブレットと Windows PC をそれぞれの用途で分けて使っていたのが、一台に集約できることです。私もタブレットは Android、PC 作業は Windows と Mac を使っています。
X98 Pro は iPad と同じ画面比 4:3 の大きなディスプレイを搭載しているので、目の悪い私でも画面サイズ的には PC 利用も可能といった見やすさでした。4K 出力対応の HDMI 出力もあるので、大画面モニタに接続するとデスクトップ PC としても十分利用できます。
4;3 だと WEB ページや電子書籍が読みやすいので、電子書籍リーダーとしても重宝します。X98 Pro は比較的軽量なので、長く持っていてもさほど疲れません。
X08 Pro の Windows はタブレットモードを備えるなど、タブレットフレンドリーな Windows 10 です。そのため、Android タブレットとしてではなく、Windwos タブレットとしての価値も高いと言えます。
タブレットモードを無効にするとデスクトップが表示され、普通の Windows PC として使えます。
Android 側はいたって普通の Android 5.1.1 といった内容です。プリインストールアプリには中国語のものが多く見られますが、Google Play に対応しているので、普段使っている Android のアプリや総竿環境を利用できます。
また、UI 周りはホーム画面を除いて AOSP ベースの内容なので、システム言語を日本語に設定すると、ほぼ完全に日本語化されます(キーボードアプリは別途調達する必要があります)。
X98 Pro に搭載されている Intel Atom X5 はメインストリーム向けの 14nm SoC で、CPU は最大 2.1GHz 駆動のクアッドコアコア、GPU は第 8 世代の Intel Graphics チップを搭載しており、既存の Bay Trail よりも 3D グラフィックスの性能は 2 倍向上していると言われています。
Antutu アプリでテストを行った結果、トータルスコアは 48,000 点台でした。Snapdragon 810 よりも若干低いようでしたが、同じメインストリーム向けの Snapdragon 615 よりも上です。メインストリーム向けの SoC としては良く頑張った方ではないでしょうか。
実際の体感性能については、Android はサクサク、Windows 10 は若干もたつく部分がある、という印象でした。Windows 環境では特に WEB ページの読み込みで短時間の待ちが発生しており、その間にマウスを動かすとカクカクするという状況でした。読み込みが完了すればスクロールなどの操作は滑らかになります。このラグがあるので、ミッドレンジ~ハイエンドのノート PC には及ばないという結論に至ました。
バッテリーの容量は 8,000mAh と 9.7 インチタブレットにしては大きいと言えますが、Android の場合、フル充電で 3 ~ 4 時間ほど使うだけで残り少なくなり、意外と持たないなと感じました。
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