10コアCPUを搭載した中華スマホ「Le 2 Pro」のレビュー(更新)

投稿日時 8月 15th, 2016 by juggly 投稿カテゴリ » ピックアップ記事, ブログ
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国内ではあまり知られていない中国のスマートフォンブランド「LeEco」の最新モデル「Le 2 Pro」を入手したので早速開封の儀を執り行います。

LeEco は中国のビデオプロバイダー LeTV のスマートフォンブランドで、昨年スマートフォン市場に参入し、今年で 2 年目になります。

LeEco の特徴は、何と言っても Xiaomi を凌ぐコストパフォーマンスの良さです。また、他社に先行して新しいハードウェアやデザインを取り入れていることでも注目されています。

昨年の LeEco スマートフォンは、業界でもいち早く USB Type-C を採用しました。そして、今年は 3.5mm オーディオジャックを排除した筐体設計を採用しています。

Le 2 Pro は 2 機種発売された Le2 シリーズの中でも上位のモデルです。5.5 インチ 1,920 x 1,080 ピクセルの液晶や 10 コア CPU の「Helio X25(X20 版もあり)」、4GB RAM、32GB ROM、背面に 2,100万画素カメラ、前面に 800 万画素カメラ、3,000mAh バッテリー、指紋リーダーを搭載しています。

このスペックで価格はなんと $223(約 24,000 円)。かなり安いので、品質を疑ってしまいますが、実際に使ってみると、$500 前後のスマートフォンと変わらない仕上がりで安心しました。また、Google Play にも対応しているので Android アプリの入手に困ることはありません。

今回入手した Le 2 Pro(Helio X20 版)は中国の通販サイト Gear Best で調達しました。Gear Best は日本への配送にも対応しています。

■ Gear Best
http://www.gearbest.com/cell-phones/pp_356973.html

Le 2 Pro の同梱品は、Le 2 Pro 本体、USB Type-C ケーブル、USB-A の充電アダプタ、SIM カード取り出しピン、3.5mm オーディオジャック – USB Type-C 変換アダプタです。

Le 2 Pro の筐体はアルミユニボディ構造を採用しており、背面から側面にかけて単一の素材とカラーリングで出来ています。デザインはまるで HTC On M7 で、持った感じも HTC One M7 そっくりでした。ちなみに、カラバリはローズゴールドです。

中国メーカーの安いスマートフォンといえば、ボディがきしんだり、ディスプレイをタッチした際には液晶がにじんだり、ディスプレイがペコペコするといったことが良く起きます。しかし、Le 2 Pro はグローバルメーカーの端末と遜色のない仕上がりなので、上記のような懸念はありません。

端末を持ちやすさも悪くなく、ディスプレイは 5.5 インチと比較的大きいながらも、他の 5.5 インチスマートフォンよりも操作しやすいと感じました。

USB コネクタは Type-C です。3.5mm オーディオジャックはありませんが、3.5mm ジャック- USB Type-C のアダプタが同梱しており、一般の有線ヘッドセットを使用できます。利用するのに特別な設定は必要なく、単に挿すだけで音が流れます。しかも、Le 2 Pro は Dolby Atmos に対応しており、有効の場合にはかなり良い音が出ます。

上部には赤外線 LED があり、家電をリモコン操作できます。

Le 2 Pro は中国メーカー製なので、日本語への対応が気になるところです。Le 2 Pro の OS バージョンは Android 6.0 Marshmallow ですが、UI 周りは Xiaomi スマートフォン並みにカスタマイズされています。

設定メニューに日本語を選択するところは存在するものの、カスタマイズされた部分は日本語化されていないので、全体的に見て、日本語、英語、中国語が混在した表示になります。困るのは LeEco 製アプリを使用するときくらいで、基本的に LeEco アプリは使わない私にとってはローカライズの不完全さは特に問題だとは思いませんでした。

Le 2 Pro の代表的な機能は、iPhone ライクなホーム画面とコントロールセンター、LeCloud(クラウドストレージなど)、Dolby Atmos、Dual App(中国製アプリしか対応していない)、電源の自動 ON / OFF スケジュール、映像解像度と画質の拡張機能、ブルーライトカットモードなどです。

次はコントロールセンターです。アプリの履歴ボタンをタップすると起動します。

ホーム画面をスワイプアップすると、最近再生した動画や音楽、おすすめ壁紙、お気に入り登録している連絡先が一つのパネルに表示されます。

Le 2 Pro にプリインストールされている「音楽アプリ」です。ネット上の音楽を検索・再生できます。中国アーティストの曲が多いのであまり使っていません。

Le 2 Pro には低解像度の動画の解像度を擬似的に向上させたり、画質(彩度とコントラスト)を補正する機能があります。どちらもトグルを ON にするだけで有効になり、次の写真をご覧の通り映像は綺麗に映ります。

Le 2 Pro の大きな特徴はと言えるのはまだ世の中で数機種しか存在しない Helio X25(X20 版は多数あり)を搭載したところでしょうか。Helio X20 の CPU コアは 10 個もあります。コアの種類とクラスタ構成は、① 2.31GHz 駆動の Cortex-A72 x2、② 1.85GHz 駆動の Cortex-A53 x4、③ 1.38GHz 駆動の Cortex-A53 x4 です。

ベンチマークアプリや負荷をかけるアプリ、複数アプリの同時利用などでコアやクラスタを動きを見てみたところ、アイドル時 ~ 多くのアプリはクラスタ ③ がメインで稼働し、クラスタ ① と ② はほとんど動かずといった状況です。つまり、10 コアがフル稼働することは限定的で、大部分は Cortex-A53 のクアッドコアプロセッサとして動作します。

正直なところ、Helio X20 の性能は未知数なのですが、Antutu アプリのトータルスコアは  94,621 点と、Snapdragon 810 や他の MediaTek プロセッサは楽に上回っています。

Le 2 Pro のリアカメラは 2,100 万画素、フロントカメラは 800 万画素です。カメラアプリは iPhone のような感じで画面をスワイプすると動画、パノラマ、スローモーションと切り替わります。

機能はさほど多くありませんが、シャープネスやコントラストを調整できるのは結構珍しいですね。動画は 4K で撮影できます。

Le 2 Pro はデュアル SIM 端末ですが、3G と LTE の同時利用は不可でした。SIM カードは、NTT ドコモの 3G と LTE、KDDI の LTE を掴むことを確認しました。

2016 年 8 月 17 日更新:入手したのは Helio X20 版(2.3GHz 駆動)でした。Helio X25 版(2.5GHz 駆動)ではありません。