Xperia Z3(D6603)開封の儀&ファーストインプレッション
9月中旬に発売されたSony Mobileの新フラッグシップスマートフォン「Xperia Z3」を入手したので早速開封の儀を執り行います。
みなさんも既にご存の通り、Xperia Z3は2014年3月に発売されたXperia Z2の後継機種です。その発売からわずか半年ほどで新型が登場しました。外観がXperia Z2似なので違いは分かりづらいところなのですが、実際に使ってみるとデザインの変更やスペックの強化、機能の拡充などが行われており、様々な変更・改良点に気づきます。
今回入手したXperia Z3は英国で販売されていたグローバル向けLTEモデル「D6603」のブラックカラーです。Xperia Z3シリーズのホワイトも見た感じで気に入っていたのですが、ブラック派の私は敢えて従来からあるブラックを選びました。悔いはありません。
Xperia Z3のスペック
- OS:Android 4.4.4(KitKat)
- サイズ:146 x 72 x 7.3mm、質量は152g
- ディスプレイ:5.2インチ、解像度1,920×1,080ピクセル(Full HD)、TFT液晶、TRILUMINOSディスプレイ、X-Realityエンジン、1,677万色、マルチっタッチ(最大10点)
- SoC:Qualcomm Snapdragon 801 MSM8974AC 2.5GHzクアッドコア
- GPU:Adreno 330
- メモリ:RAM 3GB、内蔵ストレージ16GB/32GB(D6616のみ)、microSD/microSDHC/microSDXC(最大128GB)
- リアカメラ:2,070万画素(1/2.3型Exmor RS、シングルLEDフラッシュ、BIONZ画像処理チップ、F2.0 25mm Gレンズ、3倍のClear Image Zoom、8倍のデジタルズーム、 ISO値 12800、おまかせプレミアムオート、HDRムービー撮影、無限連写、動画は最大2160p)
- フロントカメラ:220万画素CMOS(動画は最大1080p)
- 対応周波数:-
- パケット通信:2G GPRS/EDGE、3G DC-HSDPA(下り最大42Mbps/上り最大5.76Mbps)、LTE cat4(下り最大150Mbps/上り最大50Mbps)
- 通信機能:Wi-Fi a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz帯)、ANT+、Bluetooth v4.0(apt-Xコーデック対応)、ワイヤレスディスプレイ(Miracast)、DLNA、NFC(Type-A/B)
- 外部端子類:micro-USB(MHL 3.0対応)、3.5mmオーディオジャック、マグネット充電端子
- センサー:加速度、ライト、近接、デジタルコンパス、ジャイロ、気圧、GPS/GLONASS
- バッテリー:3,100mAh
- カラー:ブラック、ホワイト、カッパー、シルバーグリーン
- SIM:Nano SIM
- その他:バッテリーSTAMINAモード、Clear Audio+、Clear Phase、Clear Stereo、xLOUD、DSEE HX、Sony Network Entertainment、TrackID TVなど
パッケージング。箱は従来と同じなのですが、表面上のデザインが変わっています。まるで昔のiPhoneのよう。裏には他のカラーやXperia Z3で使用されているSonyの技術が記載されています。
同梱品はXperia Z3本体、インイヤータイプのヘッドセット(MH750)、Micro USBケーブル、USB-A=USB Micro B変換アダプタ(EC310“Xperia Transfer Cable”のことです)、取説・保証書類です。充電クレードル(DK48)は付属していませんでした。残念。
Xperia Z3の外観。Xperia Z3の大きな特徴はフレームデザインが新しくなったところです。メタルフレームにフラットパネルを採用した構成はXperia Z1 / Z2と一緒ですが、フレームが丸みを帯び、さらに表面が滑らかになりました。プレス画像を見て予想したとおり端末を持った時のフィット感は良くなっています。
ディスプレイサイズは5.2インチのままなのですが、横幅が73.3mm→72mmに、厚みも8.5mm→7.3mmに小さくなりました。質量は158g→152gと軽量化されています。前作よりもスリムで軽く、薄いです。特に薄くなった点が印象的で、片手での持ちやすさや操作性がずいぶんと良くなった気がします。
ただ、背面はガラスパネルのフラット構造のままなので、LG G3やMoto Xのような超絶ラウンドフォルム端末に比べてグリップ性は良くありません。この点はデザイン方針の変更がないと改善されないと思います。とりあえず、後付けのガラスパネルやザラザラフィルムで対処するしかありません。
Xperia Z2(右側)とサイズを比較してみました。スペックシート上はXperia Z3の方が小さいのですが、端末同士を合わせると差はほとんど感じませんでした。Xperia Z2と同サイズと言っていいと思います。ベゼル幅は若干ですが細くなっています。個人的に大きな違いを感じたのはタッチバイブの感触です。Xperia Zシリーズのタッチバイブは鈍い感触で操作しづらいと感じていたのですが、Xperia Z3のものはシャープで強く、自分好み。イメージ的にはXperia ZL(C65XX)に似た感触です。
外装の違いとしては、上下のスピーカーが小型になりましたね。形状の違いで音の出方も変わると思いますが、聴いただけでは違いを感じられませんでした。でも、劣化したとは思いませんでした。フロントステレオスピーカーでは「S-Froce Front Surround 3D(バーチャルサラウンド)」も利用できます。
左側面にはマグネット充電端子、Micro USB端子(MHL2.0対応)があります。
右側面にはXperiaの伝統とも言える竜頭型の電源ボタン、ボリュームボタン、カメラシャッター、Micro SD & Nano SIMカードスロットがあります。シャッターボタンは、ストロークがやや短くなり、また、やや柔らかくなりました。それでも普通に持っていて誤操作が発生することはりませんでした。
下部には何もありません。
上部には3.5mmオーディオジャックとノイズキャンセリング用のセカンドマイクがあります。Xperia Z3では有線ヘッドセットでも対応するものであればハイレゾ音源の視聴が可能です(Xperia Z2はUSB-DACのみでした)。
Xperia Z3での大きな変更点と言えるのがディスプレイの進化です。ディスプレイサイズ・解像度は5.2インチフルHDとXperia Z2と同じなのですが、まず、最大輝度がXperia Z2からぐ~んと高くなって屋外でも見やすくなりました。
また、“TRILUMINOSディスプレイ”と改良された”Live Color LED”で画像や動画も若干発色が良くなった気がします。タッチパネルの感度は前作と同様に非常に良好です。Xperia Z3では手袋をしたままでも操作できる「手ぶくろモード」が追加されています。
ここからは中身を紹介していきます。まずはOS周り。OSはAndroid 4.4.4(KitKat)です。ファームウェアビルドは「23.0.A.2.105」。
UI周りはXperia Z2世代と大差ありません。しかし、ホームアプリやロック画面、ウィジェット、壁紙、テーマなどの素材は一新されました。
機能はXperia Z2に搭載されたものを包含しつつ、いくつかの新機能が追加されています。
Quick Settingsパネルは通知パネルからスワイプ操作で開けるようになったほか、各スイッチをドラッグアンドドロップで配置し直せるようになりました。
ダイナミックモード。これは画像と映像をさらに鮮やかにするX Realityエンジンの新モードです。
上(Xperia Z2)はOFF、下(Xperia Z3)はON。違いは一目瞭然。
画面のキャスト。Xperia Z3シリーズではChromecastとのスクリーンミラーリングが可能です。Chromecastアプリも不要です。詳細はこちらの記事で紹介しています。
DUALSHOCK4とPS4 リモートプレイのサポート。Xperia Z3シリーズはPlayStation 4のゲームをプレイできるPS4 リモートプレイに対応しています。DUALSHOCK4はこの機能のためにサポートされました。もちろん、DUALSHOCK3もサポートしています。
Bluetoothアンロック。この機能はロック画面認証(パスコードやPIN認証)を外部のBluetooth機器との接続状態によって自動的にON/OFFするセキュリティ機能です。Xperia Z3から離れた場合や盗られた場合にロック画面認証を自動的にONにして不正使用を防止できます。詳細はこちらの記事で紹介しています。
対応ヘッドホンの拡充。Xperia Z2まではノイズキャンセリングヘッドセットとSTM10以外は「その他」に分類されていましたが、Xperia Z3から「MH1C」、「MH410」、「MH750」(同梱品)、「MH-EX300AP」が専用のメニューになりました。何が違うのかは確認していないのでわかりません。
DSEE HXをサポート。MP3やAACの圧縮音源をハイレゾ音質に近づける機能です。音源の高帯域が開放されるような感じで、いっそうクリアな音質になります。その効果は聴いただけでは分かるほど。個人的にはデフォルトONのまま使いそうです。ハイレゾ音源では機能しません。
Ultra STAMINAモード。これは必要最低限の機能を残してそれ以外を停止・無効にするSTAMINAモードよりも強力な節電機能です。使えるアプリは写真のホーム画面に写っているものだけ。モバイルデータ通信もOFFになります。これで3週間は持つと言われています。
スクリーンレコード。Xperia Z3シリーズは動画キャプチャー機能を標準搭載しています。電源ボタンを長押しすると表示される電源メニューの「スクリーンレコード」をタップすると動画キャプチャー用のメニューが画面上に表示され、録画ボタンをタップすると画面の動きが動画に記録されます。音はマイク経由で録音されます。前面カメラを使って自分の顔を同時に記録することも可能です。チュートリアル動画の作成用ですね。確認したところ、「nasne ACCESS」アプリではテレビ映像も録画できました。
カメラ機能。カメラスペックは1/2.3型の2,070万画素「Exmor RS」、画像処理エンジン「BIONZ」、F2.0・25mmのGレンズを搭載。レンズが広角になりました。
Xperia Z3はISO 12800に対応し、特に夜景や夜間の撮影でもイメージセンサーの感度を上げることで明るく撮影できるようになりましたが、ノイズも増えるのでその点を吟味すべきです。また、ISO 12800はシーンモードの「高感度」でしか利用できず、おまかせプレミアムオートやシーンOFFの場合はISO 3200までとなります。
カメラUIは従来とさほど変わりませんが、機能が増えました。まずはカメラプラグインに「サウンドフォト」、「マルチカメラ」、「フェースイン」、「ARファン」が追加。
マルチカメラは最大3台のスマートフォンまたはSony製カメラ(Wi-Fi対応)の映像を1台のXperia Z3に表示し、それぞれのカメラで捉えた映像を合成して撮影する機能です。静止画・動画ともに対応。テレビでよく見るマルチアングル映像を作成できて面白いです。
DSC-QX10の映像を入れて撮影しました。
フェースインはリアカメラの映像にフロントカメラの映像を合成して撮影する機能です。枠がフロントカメラ部分でリサイズできます。他の合成用フレームもあるので違った感じで撮影することもできます。
ARファンは既存モデルにも配信されているので省きます。ARエフェクトの進化版ですね。
撮影オプションも結構増えました。静止画モードのフォーカス設定で「マルチ」を、静止画・動画の露光設定でも「マルチ」を選択できるようになり、動画撮影時の電子式手ブレ補正ではジャイロセンサーを用いた「インテリジェントアクティブ」が追加されました。これは光学式手ブレ補正並みにブレを軽減してくれるのでおすすめです。
ほかには、無限連写の挙動は従来のままです(シャッターボタンを1回押すだけでも画像は連写扱いになります)。タッチパネルの反応を無効にする「Touch Block」も追加されています。
Xperia Z3のパフォーマンス。性能に関する内部スペックの変更ではプロセッサとNANDフラッシュの高速化が大きなところです。Xperia Z3クラスの内容だと動作で“もたつく”ことはありません。QuadrantとAntutuのスコアは次の通り。Xperia Z2から若干(数%程度)上がっています。
Xperia Z3のバッテリーの持ち。バッテリー容量はXperia Z2から100mAh減って3,100mAhなのですが、バッテリーの持ちは改善されました。写真の例だと6時間52分使っても(スクリーンON時間は2時間1分)、残りは71%も残っています。この調子だと少なくとも丸1日は充電しなくても使えると思います。当然、バッテリーの持ちは使用頻度や使用アプリ、ネットワーク環境などの様々な要素によって変わるので、私の言うことが絶対ではありません。
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