Qualcomm、28nmプロセスの新CPU”Krait”を搭載するSnapdragon S4のホワイトペーパーを公開

投稿日時 10月 10th, 2011 by juggly 投稿カテゴリ » Androidニュース
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米Qualcommが”Krait”(開発コード)CPUアーキテクチャーを採用した次世代Snapdragon”Snapdragon S4(というカテゴリで呼ばれています)”のホワイトペーパーを公開しました。

Snapdragon S4はCPUとして28nmプロセスで製造されるARMv7対応の”Krait”を搭載したSoC。CPUコアはそれぞれ最大2.5GHzでの動作に対応します。SoCは用途別にシングルコア、デュアルコア、クアッドコアがラインアップされており、SnapdragonのMSMシリーズには、2G/3G/LTE対応のマルチモードモデムを内奥したSoCも含まれます。SoCの種類とスペックはこちらの記事で紹介しているスペックシートをご覧ください。

Qualcommが公開したホワイトペーパーでは、Snapdragon S4の中でも最初に出荷されるデュアルコアMSM8960を中心に話が進められています。

CPU

”Krait”は28nmプロセスで製造されることで、45nmプロセスで製造される前世代のCPUコア”Scorpion”より処理性能は向上しつつも、電力消費は低下したことが特徴とされています。新しいパイプラインアーキテクチャーの採用などにより、処理性能は”Sorpion”より60%高いとされています。シングルコアSnapdragon S4nのメモリ幅は533MHz LPDDR2のシングルチャネル、デュアルコアは500MHz LPDDR2のデュアルチャネル、クアッドコアは667MHz LPDDR3のデュアルチャネル。

処理性能に対する発熱は、40nmプロセスのCPUコアより低いらしい。

コアあたり1.5GHz~2.5GHzで動作。非同期SMP(aSMP)アーキテクチャーを採用。aSMPでは、コアごとに非同期で動作クロックと電圧が変更される。ワークロードに応じて効率的な電圧とクロックでコアを走らせられること、使われてないコアは独立してOFFできることによりアイドル時の消費電力が削減できることから、現在の(同期)SMPアーキテクチャーと比較して、結果的に25%~40%の節電が見込まれるそうです。

GPU

デュアルコアMSM8960には新しいGPU「Adreno 225」が搭載されています。OpenGL ES 1.1、Open GL ES 2.0、Windows 8をサポートするためのDirect X9.3などのグラフィックAPIをサポート。統合型シェーダアーキテクチャーを採用。汎用シェーダの柔軟性と性能の向上したことや、前世代Adreno 220の2倍のメモリ帯域幅を持つことなどにより、Adreno 225のグラフィック性能はAdreno 220と比較して50%高い。Adreno 200と比較すると6倍高い。ちなみに、シングルコアMSM8930には、(2月の発表では)Adreno 200より6倍高性能とされるAdreno 305が、クアッドコアのAPQ8064には、Adreno 200より15倍高性能とされるAdreno 320が搭載されています。

2G/3G/LTEをサポートしたマルチモードモデムが統合

Snapdragon S4プロセッサーには既存の2G/3GとLTEをサポートし、それぞれの通信方式の電波を同時に受けることが可能な通信チップが内蔵されています。サポートされる通信方式はプロセッサーの型番によって異なりますが・・・。

Snapdragon S4の中でも最初に市場に投入されるデュアルコアMSM8960では、GSM/GPRS/EDGE/HSPA+/1x Advanced/1xEV-DO/TD-SCDMA/LTE(FDD and TDD:cat 3)をサポートしています。LTEを使用する端末の場合、音声通話はGSM/WCDMA網を利用するCSFB方式、CDMA網を利用するSVLTE方式で行われます。MSM8960にはこのほか、GPS、Wi-Fi、Bluetooth、NFC、FMといった通信機能も統合されています。

ホワイトペーパーの中で主に紹介されていたMSM8960は、今年Q4中より出荷が開始されるらしいので、来年のCESかMWCあたりに製品として目にすることができるのではないでしょうか。MWCでの発表だと、実際に発売されるのは2012年春以降だと思います。

Source : Qualcomm