Google、モジュール型スマートフォン「Project Ara」の一部詳細を発表、2015年初旬に発売予定
Googleが4月15日に米国で開催したモジュール型スマートフォン「Project Ara」の初の開発者カンファレンスで、Araの詳細や発売スケジュールなどについて一部の情報を公開しました。
同カンファレンスではProject Araを率いるPaul Eremenko氏がステージに登壇し、Araの概要やAraにおける現在の取り組み、今後の展開、発売スケジュールなどを最近リリースされたModule Development Kitを用いながら紹介しました。
Araは、各種パーツがモジュールとして提供され、ユーザー側で自由に組み替えて仕様をカスタマイズできるスマートフォンです。修理がしやすいところやスペックを柔軟に変更できるところ、より自分の都合に合わせた内容のスマートフォンを持てるパーソナライズ性の高さを特徴としています。
Araは、CPU、メモリ、カメラ、バッテリー、各種端子、アンテナを部品化したモジュールと”Endo”と呼ばれる各モジュールを繋ぎ止めるフレームで構成されており、各モジュールは”Endo”に電磁永久磁石によって固定される仕組みです。永久磁石は電気信号によってON/OFFを切り替えることができ、磁石の特性を維持するための電源を必要としません。各モジュールは専用インタフェースを介してデータを転送します
Eremenko氏は、Araの最初のモデルが2015年中に発売されるだろうとしながらも、”Grey Phone”と呼ばれるベアボーンキットを2015年1月を目処に発売する計画であることを明らかにしました。1つのGrey Phoneの製造にかかるコストは$50程度とされているので、販売価格は高くても$100程度になると予想されます。Grey Phoneには”Endo”、ディスプレイ、プロセッサ、Wi-Fiモジュールがセットになっており、スマートフォンとして機能させるには追加でモジュールを購入する必要があるようです。
Googleは今年9月頃にAraのプロトタイプを発表する予定で、来年1月までの間に数回予定されているAra関連のイベントで披露される見込みです。
Ara用モジュールの販売については、コンビニやキオスクなどで販売される一方、GoogleもGoogle Playストアのような専用サイトをローンチする計画であることが明らかにされました。アプリのようにモジュールを購入することもできるというわけです。また、事前にモジュールを自分の端末で試すことも可能とされています。
Araのサイズは”Endo”と搭載可能なモジュール数によって3タイプ発表されました。Eremenko氏はこのうち、中間サイズの”Endo”を用いたデモ機をカンファレンスで披露しました。スマートフォンのほぼ全てのパーツはモジュール化することが可能とされており、各モジュールの外装は3Dプリンターで好みのデザインにすることができます。その点もAraの特徴とされています。
Araの消費者におけるメリットは、上述のようにスペックをカスタマイズできることなのですが、各パーツは独立したモジュールとなっているので、例えば、画面が割れてもその部品だけを交換すれば元に戻せます。そのような修理しやすく、必要に応じて新しいパーツを追加できるので、端末のライフサイクルも長いことも特徴とされています。
モジュール開発者におけるメリットは、(接続方法などが決まっているので)開発をモジュールが提供する機能に絞って行なうことができるところや、モジュール型スマートフォンで自分だけのスマートフォンヲ作成したいというユーザーのニーズによって新たなマーケットが生まれところを挙げました。
AraのOSはGoogleなのでAndroidが採用される予定です。現行のAndroidはAraに対応していないそうなのですが、Eremenko氏は2015年初旬のGrey Phoneの発売までに対応する見通しを明らかにしました。
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