クレジットカードのタッチ決済やQRコードが鉄道乗車券に、東急らが実証実験を来年実施
電車に乗るなら切符を購入するか Suica や PASMO をはじめとした交通系 IC カードを使用するのが一般的ですが、そこにクレジットカードのタッチ決済やスマホでの QR コードも加わろうとしています。私鉄大手の東急電鉄などがこれらの実現に向けて 2023 年夏より田園都市線の一部駅で実証実験を行うと発表しました。
クレジットカードのタッチ決済は海外で急速に普及しており、非接触決済において世界的な標準となりつつあります。QR コードの方は電子チケットやキャッシュレス決済アプリで使用されており有名です。これらの新しいサービスを鉄道乗車に活用することで、駅や沿線を中心にインバウンド需要の掘り起こしや消費活動のさらなる活性化を図るのが東急らの狙いとなっています。
特に QR コードについては、クーポンやキャンペーンの併用、乗車券の一括購入や分配、ギフトとしての譲渡など、他のアプリやサービスで培われてきたノウハウを活用することもできて鉄道利用がさらに楽しく便利になっていく未来を想像できます。
実証実験の内容は大きく 2 つ。1 つ目はカードタイプのクレジットカードやスマホ上のクレジットカードを利用したタッチ決済による改札入出場、もう 1 つが QR コードを用いた改札入出場です。まずは、専用サイト上で販売される企画乗車券を事前に購入し、その上で改札の読み取り機にクレジットカードやスマホの画面をかざすことで改札を通過する一連の流れを実験・検証します。クレジットカードのタッチ決済は後払い方式での利用も計画されています。
上記 2 つの実験内容に関しては、かねてより乗車券としての採用を望む声が大きかったと思います。昨今、リモートワークやリモート授業の普及で鉄道を利用しない方が増えていますし、フリーランスとして働く方も増えており、そういう方の多くは交通系 IC カードを必要としなかったりします。かといっていちいち乗車券を購入するのは面倒。そこで普段は別の用途で使用しているクレジットカードのタッチ決済や QR コードを改札の出入りにも使えれば非常に助かります。
とはいえ、東急としては今後も交通系 IC カードを主軸サービスに位置づけており、今回のタッチ決済や QR コードを主流にしようとは考えていません。というのも、交通系 IC カードに採用されている Felica は改札での処理速度が他の非接触 IC 規格よりも高速で、改札の混雑を考慮すると Felica 一択なのが実情だからです。
(更新)一部内容を訂正しました。
Source : 東急電鉄
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