Googleは半導体開発のスタートアップ Nuviaの買収を検討していたらしい
Google は Pixel スマホに自前の Tensor チップを搭載するなど、SoC の独自開発にかける熱意は強く、今後のその発展が注目されていますが、一時は半導体開発のスタートアップ Nuvia をも買収することも検討していたようです。
現在、Nuvia は Qualcomm に買収され、その子会社として運営されていますが、The Information が報じた、Gerard Williams III 氏が辞職した後の Apple の動向を伝えた記事の中で、Nuvia と交渉していたのは Qualcomm だけでなく、Google、Microsoft、Intel も同様に交渉の機会を持ったとされています。
Nuvia では、長年 Apple で CPU や SoC の開発を指揮してきた Gerard Williams III 氏が CEO を務めており、、他にも半導体の設計開発に精通している経験豊かなエンジニアが多く在籍していました。そんな Nuvia メンバーらが持つ経験や専門知識に興味を示していたのは Qualcomm だけではなかったようです。
Google での SoC 開発は、初代 Pixel が登場した 2016 年頃に始まり、次の Pixel 2 に搭載された Visual Core のコプロセッサで具体的な成果が見られるようになりました。SoC 開発はその後も継続し、Pixel 4 には Nural Core が搭載され、2021 年にはついに自前の SoC「Tensor」が搭載されました。
Google は今でこそ Pixel スマホに自前の Tensor チップを搭載するようになりましたが、中身は ARM の標準コンポーネントや Samsung の Exynos モデムを使用するまでに留まり、AI の処理を担う TPU の分野では目覚ましい成果を出してきましたが、それでも将来への展望に関して少し疑問符が残ります。おそらく今後は噂になっている Pixel Fold や Pixel Tablet に自前の SoC を搭載してくるでしょうし、Pixelbook やその他より高い性能が求められるハードウェアシステムにも自前の SoC を搭載しようと計画しているはずですが、現状の SoC 構成ではそこまで拡張させていけるのかどうか怪しいところ。Nuvia の買収によってこうした課題を一気に克服しようとしたのでしょうか。
Nuvia の設立目的は、データセンター向けに高性能で低電力、且つスケーラビリティに優れた CPU や SoC を設計することなので、この目標を達成する為に同業種で業界のリーダーでもある Qualcomm と手を組んだと考えれば、それはごく自然な成り行きだったのかもしれません。
Source : The Information
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