スマホのPINロックはやっぱり危険 あっさりと資産を失う可能性も 今すぐスマホロックの見直しを

投稿日時 2月 26th, 2023 by juggly 投稿カテゴリ » ピックアップ記事
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現代のスマホは電話番号をはじめとした個人情報や各サービスのアカウント情報だけに留まらず、位置情報、健康データ、支払い・口座情報など、個人に関するありとあらゆる情報を保管しています。そのため、セキュリティはスマホの中で最も重要な要素です。企業のたゆまぬ努力のおかげでスマホのセキュリティ保護機能は日々強固なものになっており、それは PC よりもスマホの方が安全だと評価されるほどです。しかしながら、いくらスマホがマルウェアやサイバー攻撃に対して強くなっていると言っても、スマホを使用するユーザー自身の意識しだいではあっさりと資産を失ってしまいます。Wall Street Journal に掲載された iPhone 強奪の事件レポートでそれを痛感させられました。

今回は、手間を惜しんでスマホのロックを暗証番号(PIN)にしていたばかりに大切な資産までも奪われてしまったという悲劇的な事件から学ぶ教訓を紹介します。WSJ の記事によると、マンハッタンのベンチャー企業でシニアアナリストを務める 30 代のハイクラスな女性は、ある日、訪れたバーを退店してすぐに入口で待ち構えていた見知らぬ男に iPhone 13 Pro Max を強奪され、わずかその数分後には Apple アカウントにアクセスできなくなり、さらに一日も経たずして彼女の現行口座から 10,000 ドル(約 136 万円)もの大金が不正に引き出されてしまったという。このとき、iPhone にはロックが設定されていたものの、それは安全性の低い暗証番号でした。

iPhone も Android も指紋や顔を用いることでスマホを比較的安全に運用できますが、これらの生体認証は最終的なロックではなく、ロック解除の手段にしか過ぎません。最終敵なスマホのロックは、暗証番号、ロックパターン、パスワードのいずれかを使用します。この 3 方式の中で暗証番号は解除しやすいことから多くのユーザーに選ばれていますが、皆さんもご承知の通り、暗証番号はそもそも推測されやすく、解除している様子を見られるだけでバレることもあります。さらには、画面への指紋の付き方から予測して破られることも珍しくありません。3 つの中では最も安全性の低い認証方式です。ロックパターンについても同様です。簡単なパターンだと暗証番号と同程度の危険性があり、やはり、スマホの安全性を優先するならパスワードの利用が最善です。パスワードは解除に手間がかかり正直面倒ですが、今回の事件レポートを耳にするとそうも言ってられません。

今やスマホは単なる携帯電話ではなく、立派なお財布または金庫にも匹敵するほどの貴重さがあります。ユーザー一人ひとりがこのように意識を変え、スマホのロックをより強固にすれば、万が一、盗難の被害に遭遇した場合でも資産を失う可能性は低いでしょう。スマホを守るのはソフトウェアではなく自分自身であることを心に留めておいてくだされば幸いです。

Source : The Wall Street Journal