Google、Android新バージョン「Android 4.4‟KitKat”」を正式発表、既存のNexusには数週間中に配信
米Googleは現地時間10月31日、Android OSのメジャーアップデート版となる「Android 4.4‟KitKat”」を正式に発表しました。
Android 4.4は、Nexus 5に標準搭載されるほか、既存のNexus 4、Nexus 7、Nexus 10、Galaxy S4とHTC OneのGoogle Play Editionに対して‟数週間のうちに”OTAアップデートで配信される予定です。
Android 4.4では、メモリ消費量の削減、パフォーマンスチューニング、システムレベルでのNFCカードエミュレーションモードや印刷機能のサポート、ウェアラブルデバイスなどに用いられる新タイプのセンサーのサポート、Bluetooth HID over GATTやBluetooth MAPなどの新プロファイルのサポートなどが行われています。
GoogleがAndroid 4.4の変更内容で最初に言及したのは、カーネル、システム、アプリにわたってメモリ(RAM)消費量を削減したことです。これは「Project Svelte」という名の下でチューニングされています。面白いのが明示的に「RAM容量が512MBのローエンド端末でも快適に動作する」と言っているところです。相当自信があるのでしょう。ローエンド端末で快適に動作するということは、ハイエンド端末では空きRAM容量が増えてさらに快適になると思います。
- NFC機能にホストカードエミュレーション(HCE)を追加。
任意のアプリでNFCベース(ISO/IEC 7816)のスマートカードをエミュレーションできる機能。端末にセキュアエレメントが無くても、クレジットカードや会員証、定期券などのセキュアなトランザクションを完了させることができる。また、NFCリーダーモードにHECカードや他のNFCカードを読み取る機能を追加。 - 印刷フレームワークを追加。
任意のアプリにWi-FiベースのネットワークプリンタやGoogle Cloud Printなどのクラウドベースのプリンタで印刷する機能を実装できる。 - ストレージアクセスフレームワークの追加。
任意のアプリからローカルストレージまたはクラウドストレージのファイルを開いたり、作成したファイルを保存することができる。 - センサーデータのバッチ処理に対応。
センサーイベントをバッチ処理で収集することにより、センサーが個別にイベントを検出して処理するのに比べて、効率的に収集できる。フィットネス、位置の追跡、モニタリングなどの長時間にわたるユースケースに最適。Android 4.4発表時点でこの機能に対応するのはNexus 5のみ。 - ステップ検出センサーとステップカウンタをサポート
ステップ検出センサーは、ユーザーが踏み出したことを検出するための加速度計。ステップカウンタは端末の起動から停止までの歩数を記録する装置。専用のセンサーがサポートされるので、それらを搭載した端末では、フィットネスアプリの歩数や活動量の計測がより正確になると思われます。 - SMSプロバイダを追加。
任意のアプリでSMS/MMSを利用することができる。 - Full-screen Immersive mode(フルスクリーン没入モード)を追加。
画面上の全ピクセルを使ったアプリを開発できる(ステータスバーとナビゲーションバーを隠してフルスクリーンにする)。 - アニメーション遷移フレームワーク。
- 半透明のシステムUIスタイリング。
- 動画キャプチャー機能を追加。
画面の動きを動画ファイルとして記録できる。チュートリアル動画やアプリの紹介動画を作成するのに便利。 - 動画の解像度を再生中にシームレスに切り替えるオプション機能をビデオデコーダーに追加。
- RenderScriptランタイムのパフォーマンスチューニングにより、アプリの動作性能が向上。
- ネイティブコードからRenderScriptを直接実行できるようにするAPIをAndroid Native Development Kit(NDK)に追加。
- アクセシビリティ機能にシステムレベルでのキャプション(字幕)機能を追加。
- Bluetooth HID over GATT、Bluetooth MAPをサポート。
- 赤外線リモコンをシステムレベルでサポート。
- SELinuxの動作モードが「Permissiveモード」から「Enforcingモード」に変更。ポリシー違反のアクセスに対してログを吐いて拒否するようになる。
- Javaのライタイムに「ART」が追加。従来の「Dalvik」の置き換えを目指したものでまだ開発中。デフォルトは「Dalvik」で、「開発者向けオプション」→「ランタイムを選択」より切り替え可能。切り替え時には端末のリブートが必要です。
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