Android入門講座 : root(ルート)化って何? 何が嬉しいの? 自分の端末もroot化すべき?

投稿日時 3月 5th, 2016 by juggly 投稿カテゴリ » ピックアップ記事, ブログ
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この記事では、Android の基本的な機能の使い方などを紹介する「入門講座」として、Android の上級者がよく行うアンダーグラウンド的なカスタマイズ方法の一つ「root 化」の概要を説明したいと思います。

ネットや Android に詳しい人から「root 化すると便利になるよ」という話をよく目にしたり聞いたりすると思いますが、この「root 化」とはいったい何なのか、root 化して何が嬉しいのか、自分の端末も root 化すべきなのかといった疑問を持つ方は多いと思います。このことについて私の見解をお伝えします。

まず、root 化(読みは「ルート化」です)を説明します。root というのは Android の基になっている OS「Linux」の管理者ユーザー名のことです。Windows の場合は Administrator / 管理者に相当します。

Android は基本的に Linux の一つにあたるので、本来は root ユーザーも利用できるはずなのですが、Android の設計思想から root ユーザーは一般には開放されておらず、発売された Android 端末のほとんどででは利用できないようになっています。なので人々は root 化しようと試みるのです。

root 化するということは、一般ユーザーから管理者権限にユーザーを変更(昇格)できるよう、「su」といった特殊なファイルを非公式に導入することです。通常、このような改変は許されていないので、Android のシステムで発見された脆弱性を突いた攻撃を自ら行ったり、ブートローダーがアンロック可能な場合はリカバリイメージを変更してダイレクトに導入するといった手法を用います。

root ユーザーが利用できるようになると何が嬉しいのか。それは、Android の全てのフォルダ(Linux の世界ではディレクトリ)やファイルにアクセスできるほか、全てのファイルを書き換えるられるようになることです。この強力な権限を利用すると、CPU の動作クロックを変更したり、プリインストールアプリを削除したりと、一般のアプリではできないことが可能になります。

その代表例と言えるのが「Root Explorer」でしょう。このアプリは全ての Android の全てのフォルダ・ファイルにアクセスでき、しかも、システムアプリなども削除できます。

ちなみに、なぜ管理ユーザーなのに Administrator ではなく root と呼ぶのかというと、それは、Linux システムのプロセス(OS やアプリの動き)やファイルシステムがツリー構造になっているからで、ツリーの根っこ・・・ root からきています。Unix や Linux を使っている方にとっては普通のことでしょう。

ついでに、root 系のアプリでよく「#」が使用されていますが、これはコマンド入力アプリのコマンドラインプロンプトが、一般ユーザーだと「$」のところ、root ユーザーになると「#」に変わるからです。

Android の上級者なら root 化することは容易だと思うことでしょう(方法が見つかっていればの話)。そのため、近くには root 化している方から「root 化すれば何でもできるよ」といった感じでおすすめされるのです。

だったら自分の端末も root 化すべきかどうかということは、root 化によって実現したいことと、それに伴い発生するリスクが自分にとってどうなのかによるので、root 化すべき、すべきでないは断言できません。

root 化した場合は、目的を達成できる一方で、セキュリティのリスクが高まり、「改造品」となるのでメーカーやキャリアのサポートが受けられなくなる可能性が出てきます。また、root アプリは(当然のことながら)メーカーやキャリアの検証が行われていないので、不完全なアプリだと、端末を高温にしてしまい故障させたり、再起動を繰り返したり、運が悪ければ、起動しなくなることがあります(いわゆる文鎮化)。私はこれまでの Android 生活の中で「Motorola ATRIX」という機種を完全に文鎮にしてしまいました。

つまり、自己責任ということです。root 化しなかった場合は上述のようなリスクを負う必要がありません。

私の場合、今でも一部の端末を root 化していますが、自己責任で行うべきことなのは重々承知しているので、たとえ問題が起きても、端末が文鎮になっても、特に文句は言いません。root 化にはこのようなスタンスで取り組むべきだと思います。