コスパの良いWi-Fiスマートドライブレコーダー「Yi Smart Dash Cam」のレビュー

投稿日時 2月 5th, 2018 by juggly 投稿カテゴリ » ピックアップ記事, ブログ, 周辺機器・アクセサリー
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車の割り込みや追い越しといったことに腹を立てた運転者が過激な報復行動に出る “ロードレージ“ がテレビやネットニュース、SNS で取り沙汰され、その対策の一つとして「ドライブレコーダー」の需要が増えてきています。今回はそんなロードレージの証拠収集にも役立つ Wi-Fi スマートドライブレコーダー「Yi Smart Dash Cam」をご紹介します。

Yi Smart Dash Cam は中国メーカー Yi 社によって販売されている安い小型ドライブレコーダーで、165 度の 6 層広角レンズと画素サイズ 3μm というスマートフォン用よりも大きな画素を持つ 1,200 万画素のイメージセンサーで前方や後方を途切れなく動画に収めます。今回は国内正規品を購入しました。

また、Wi-Fi 経由でスマートフォンと連携する機能を搭載しており、スマートフォンから専用アプリを使ってドライブレコーダー内のライブ映像を見たり、録画した映像を抜き出すことができます。

ドライブレコーダーとして設計・開発された製品なので操作はとても単純です。録画はエンジンをスタートさせると自動的に開始し、録画の終了もエンジンを止めるだけ。録画映像の必要性が無い場合にはカメラに触れることすらなく運用できます。

録画されたドライブ映像には日時のスタンプが付き、録画を日時を簡単に辿れるようになっている他、衝突や急ブレーキを G センサーが感知し、その部分だけを通常の録画ファイルとは別の「緊急時録画」として保存する機能、走行車線を逸脱すると音声で警告するインテリジェント運転支援機能、音声は録音しないように設定する機能もあります。

テストした結果、Yi Smart Dash Cam は運用性の高さと必要とする画質を確保していたという点において実用性があり、そのうえで 4,491 円という手頃な値段はコスパの良い製品だと判断しました。見た目よりも安っぽい作りなのは価格を考慮すると仕方ないことです。性能は実用レベルなのでたぶん妥協できると思います。

Yi Smart Dash Cam の本体は小型デジタルカメラのような外観で、74g と軽量です。GoPro と比較すると大きな GoPro のようです。背面に 2.7 インチの液晶モニタ(タッチパネルは付いていません)、大きめの物理ボタンがあります。本体の側面には Micro SD カードスロットと電源コネクタ(Micro USB)、上部には付属スタンド用のコネクタが付いています。

Yi Smart Dash Cam の専用スタンドは 3M 製の粘着テープでフロントガラスあるいはリアガラスに貼りカメラを吊るすという設置形態になります。スタンドの角度や向きは自由に変えられるので、貼り付けが上手くいかなくてもカメラの向きを適切に調節できます。

私はルームミラー奥のフロントガラスに設置しました(車検シールの右隣)。ガラスでもしっかりと固定されるのでカメラが不意に落ちる心配はしていません。ハッチを頻繁に開け閉めするリアガラスに設置した場合だともしかすると落ちてしまうかもしれません。

Yi Smart Dash Cam は USB 給電で駆動し、通常はシガーソケットから電源を取り録画させます。パッケージには長さ 3.5m の USB ケーブルが付属しているので、フロントガラスに設置するなら同梱ケーブルで十分配線できるはずです。リアガラスだと配線の仕方によってはもっと長いケーブルが必要になるかもしれません。

Yi Smart Dash Cam で実際に録画してみて、まず感じたのは手間がかからないことです。おそらく他のドライブレコーダーも仕組みは似たようなものだと思いますが、エンジンの ON / OFF と連動して起動・録画するので、カメラ内の録画映像が不要の平時であればカメラに触れることなく運用できます。また内部には 240mAh の少量バッテリーを搭載しており、給電していない時でも一定の時間であれば緊急時録画が作動するようになっています。

ドライブレコーダーにとって一番重要なことはカメラの画質だと思います。録画映像が必要になるような事態だと、当時の道路・交通状況や相手ナンバーが確認できるレベルの画質が必要です。Yi Smart Dash Cam は動画を最大で 2,304 x 1,296 ピクセル(30fps)で録画できる他、1,920 x 1,080 ピクセル(30 または 60fps)でも録画できます。さらにスマートフォン上のアプリでは写真撮影も可能です。

実地テストでは、昼間よりも事故の発生が多い夕方と夜間の走行において交差点の状況が一目で分かるか、録画映像から前方や対向車線を走る車のナンバーが読み取れるかを確かめました。結果はどちらも満足するもでした。高価なドライブレコーダーと比較すると画質は悪いとのネットのレビューを散見しますが、個人的には上記の通り、必要最低限の画質は確保していると思います。もちろん画質が良いことに越したことはありませんし、基本的に私も高級なドライブレコーダーが理想だと思っています。

▲ 夕方(16時38分)の映像から

▲ 映像の一部を拡大してナンバーを確認(最後の4以外はぼかしています)

▲ 広角レンズのおかげで夜間でも交差点の状況がよく分かります

▲ こちらも最後の「5」以外はぼかしています。

次の重要な要素は録画された動画を簡単に取り出せるかです。この点は Yi Smart Dash Cam でもよく出来ている印象を受けました。録画中は最長でも 3 分で新しいファイルを作り、大量の動画ファイルが作られますが、アプリではそれらを「何月何日何時何分から何時何分までのドライブ」にまとめて表示し、各ファイルのサムネイルには時刻を表示するので、長時間の動画をずっと見て探る手間等はかかりません。

また、各ファイルをスマートフォンにダウンロードする際にも動画の開始地点をトリミングできるようになっており、スマートフォンにダウンロードした時には必要なシーンから始まる 1 ~ 2 分の動画になっています。

もちろん動画ファイルは全て Micro SD カードに保存されるので、Micro SD カードに直接アクセスして PC にファイルを保存することもできます。その場合でも、動画のファイル名には日時が付き、日時でソートされるので見つけやすいと思います。

ドライブレコーダー本来の使用目的からは少しそれますが、スマートフォンアプリではドライブレコーダーのライブビューを見ながらシャッターを切りその時の写真を撮ることができます。ドライブ中に発見した気になるお店や風景、注意したい交差点や分岐、出入り口等を写真に撮っておくと、いずれは何かの役に立つでしょうし、それを助手席の方にお願いすると、助手席の方はまさに助手になります。Yi Smart Dash Cam を後方用に使用している場合は、助手席の方に後方チェックをお願いするとドライブがもっと安全なものになると思います。