クラウドストレージとシステムレベルで連携するAndroidスマートフォン「Nextbit Robin」開封の儀 & ファーストインプレッション
米国の新興スマートフォンメーカー Nextbit がクラウドファンディングを通じて発売した同社初のスマートフォン「Robin」を入手したので、早速開封の儀を執り行います。
Nextbit は、元 Google のベテランエンジニア Tom Moss 氏と Mike Chan 氏、HTC でチーフデザイナーを務めた Scott Croyle 氏らが設立した米国のスマートフォンメーカーで、Robin は同社より発売された最初の Android スマートフォンになります。
当初は Kickstarter のクラウドファンディングで寄付募って製造を行っており、2 月に第一弾の発送が開始。同時に一般販売も開始されて、今でも米国の公式サイトから直輸入できます。Robin は日本語への対応状況が良く、技適も取得しているので、国内における屋外利用は問題ありません。
Robin が発表された当時、大きな特徴とされていたのは 100GB のクラウドストレージとデータをシームレスにやり取りし、端末側の内蔵ストレージの空き領域を常に最大化するインテリジェントなデータ管理システムです。
また、海外メーカーの端末ではなかなか無い日本端末っぽい外観も特徴です。おそらく、女子はこのデザインにキュンとすると思います。私は男性ですが、このデザインにキュンとしたので頑張って海外から調達しました。
Robin は現時点では、中 ~ 上位クラスのスペックを備えたスマートフォンですが、$399 と相場よりも安い値段で販売されています。
それでは開封していきましょう。まずはパッケージングから。箱は一般的なスマートフォンのものとは違ってこだわりのあるデザインと内部構成でした。ちゃんと考えてデザインしたんだなぁと、Nextbit の意気込みを感じます。
同梱品は、Robin 本体、USB Type-C の USB ケーブル、電源アダプタ、SIM スロットイジェクトピン、取説などの書類。
USB ケーブルは本体カラーに合わせたミントカラーで、しかも、きしめんタイプのケーブルです。新興メーカーの製品できしめんケーブルを採用するとは驚き。
Robin の外観上の特徴はグロッシーなカラーリングと無駄を省いたミニマルなデザインでしょうか。形状はほぼスクエア型で、各種パーツのサイズは最小限に押さ得てあり、シンプルながらもオシャレな印象を受けます。
Robin は 5.2 インチスマートフォンなのですが、ボディは基本的にプラスチック素材を多用した作りなので Nexus 5X と同じくらいの軽さです。筐体サイズは 149 x 72 x 7.0mm となっています。
$399 というリーズナブルな価格ですが、背面には PDAF 対応の 1,300 万画素カメラ(デュアルトーン LED)、フロントステレオスピーカー、側面の指紋リーダー(電源ボタン上にあります)、NFC、USB Type-C、Quick Charge 2.0、VoLTE、LTE-Advanced に対応するなど、今のスマートフォンが対応すべき機能を多く備えています。
対応週蓮は、GSM / WCDMA(850 / 900 / 1800 / 1900MHz)、LTE(Bands 1 / 2 / 3 / 4/ 5 / 7 / 8 / 12 / 17 / 20 / 28)なので、国内キャリアへの対応も良好と言えます。
背面を見ると、ミントとホワイトのツートンカラーを採用していることが分かります。
右側面には電源ボタン(指紋リーダー付き)と SIM スロットがあります。Micro SD カードスロットはありません。
左には珍しい丸型のボリュームボタンがあります。
下部には USB Type-C コネクタや通話用マイク。
上部にはヘッドホンジャックとノイズキャンセリング用のセカンドマイクがあります。
Robin は全体的に角ばったデザインなので、持ちにくいのでは?と心配する方もいると思いますが、実際に持ってみると端末が非常に薄いので、逆に角がよいグリップになって持ちやすいと感じました。
ディスプレイは 5.2 インチ 1,920 x 1,080 ピクセルの液晶です。視野角がさほど広いとは感じなかったので、IPS ではないかも。
屋外での視認性は良好でしたが、最高輝度は Xperia Z3+ よりも少しだけ低め。屋内利用では気付かなかったのですが、Xperia Z3+ の液晶に比べると黄ばんで見えます。
Robin には前面の上下にスピーカーがあり、音をステレオで出力します。音質はまずまずといったところです。
実は、Robin のファームウェアは Android 6.0 Marshmallow ベースなのです。UI 周りはカスタマイズされているのですが、その程度は Galaxy などと比べると非常に小規模。基本的には AOSP の外観を維持しています。
カスタマイズされた部分はホームアプリ、標準アプリのアイコンとカラーリング、通知パネル、ダイアログボックス、各種サウンドです。
ホームアプリは iPhone のようにホーム画面にアプリが並ぶ仕様で、日本語表示には対応していません。後述しますが、Robin のホームアプリはクラウドストレージとの連携によって使われていないアプリを非表示にしたり、アプリをクラウドストレージに移動させないようにピン留めすることもできます。その設定を画面右下のアイコンから操作できます。
Robin の良いところはプリインストールアプリが少なく、また、各標準アプリも AOSP の UI を維持しつつ、カラーリングやアイコンを Robin 本体カラーに合わせ、全体的にシンプルながらも、ハードウェアとソフトウェアの一体感を実現したところです。UI をカスタマイズする企業が多い中、個人的には Robin 程度のカスタマイズがちょうど良いと感じます。
プリインストールアプリは次の写真の数個と Google アプリのみ。システムアプリのアイコンは全て独自デザインですが、中身はほぼ AOSP 仕様です。
フォルダは画面全体に表示されるので、まるでアプリドロワーのように使えます。
Robin の最大の特徴と言えるのが冒頭でも紹介しましたクラウドストレージとの連携機能「Smart Storage」です。
Smart Storage は Robin が購入者に無償で提供している 100GB のストレージに、アプリ・アプリデータ、写真・動画を端末の使用状況に応じてアップロードし、例えば長期間使用していないアプリの場合はバックグラウンドでクラウドストレージにアップロードし、端末側のストレージの空きスペースを常に最大化します。
クラウドストレージ上のデータはアプリを使用する際(タップする)に自動でダウンロードされるので、すぐに使えるようになります。
また、Robin の背面には 4 つの LED が仕込まれており(ロゴの下)、クラウドストレージとの接続状態や転送などの状況を確認できます。
実際に使ってみると、端末ストレージのデータはいつの間にかクラウドストレージにアップロードされている感じで、特に意識せずに利用できます。また、クラウドストレージ上にしかデータが無い場合はダウンロードに伴う遅延が生じると予想されますが、これまでのところ、データ転送に伴うタイムラグ
のような違和感は感じていません。ほんと意識することなく使用できています。
Robin のプロセッサは Nexus 5X と同じ Snapdragon 808 1.8GHz ヘキサコアです。RAM が 3GB あるのでマルチタスクやゲームアプリの利用には Nexus 5X 以上に耐えられると思います。実際に使ってみても全体的な動作はサクサクといった感じでしたが、数日間使っていると若干モッサリしてきたので、Nexus 5X の悪夢が過ぎっている状況です。Antutu のスコアは 60,984 点だったので実用性十分のレベルだと思います。
Robin のカメラは背面に 1,300 万画素(PDAF 対応、デュアルトーン LED)、前面に 500 万画素を搭載。カメラアプリがシンプルなデザインなので、使いやすそうに見えますが、下部のバー表示となっているモードの切り換えやオプションボタンが小さく見づらいので、使いづらいと思いました。カメラアプリは変更して使っています。
VoLTE メニューもあります。
ここまで一通り Robin を紹介してきました。ミッドレンジクラスの価格帯で、指紋リーダーや USB Type-C 、VoLTE などに対応し、満足のいく性能を出していることから、かなりお買い得な端末だという印象を持ちました。特にデザインは私好みで、重視している片手での操作性も良好だったので、メインマシンとしても使えるなと思いました。
ただ、しばらく使うとモッサリし出すところに若干の不安を感じています。この点はアップデートである程度改善されていくと思いますが、今後もモッサリ具合が酷くなるようなら乗り換えようかと思います。
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