ガラスパネルで包まれたボディと第二の画面を搭載した「HTC U Ultra(HTC_U-1u)」のレビュー
HTC が 1 月 24 日に台湾で発売した今年一発目のグローバルスマートフォン「HTC U Ultra(台湾モデル HTC_U-1u)」のレビューをお送りします。
HTC U Ultra は 5.7 インチという大きなディスプレイを搭載した大型モデルで、2017 年のフラッグシップモデルではありませんが、現時点では HTC スマートフォン史上最高レベルのスペックを備えたほか、2 インチの第二の画面(セカンドディスプレイ)やガラスパネルで包まれた新しいボディ設計を採用するなど、魅力的な要素をいくつか備えており、個人的には HTC U Ultra が 2017 年のフラッグシップでも通用すると思っています。それほど満足度の高い一台でした。一方で、HTC U Ultra が存在する今、HTC の真のフラッグシップに対する期待のハードルはものすごく上がっています。
HTC U Ultra の主要スペックは、5.7 インチ 2,560 x 1,440 ピクセルの Super LCD 5(ゴリラガラス 5)、Snapdragon 821 2.35GHz クアッドコアプロセッサ、4GB LPDDR4 RAM、64GB ROM、背面に 1,200 万画素の UltraPixel カメラ、前面に 1,600 万画素カメラ、3,000mAh バッテリー、ステレオスピーカー、USB Type-C、指紋リーダーなどを搭載しており、Wi-Fi a/b/g/n/ac、Bluetooth v4.2、NFC などに対応しています。
HTC U Ultra のファームウェア構成は Android 7.0 Nougat + Sense 8 系の UI です。つまり、Android 7.0 版 HTC 10 と基本的には共通のファームウェア構成だと言えます。なので、この記事では HTC U Ultra で追加・改善された機能を中心に見ていくことにします。
HTC U Ultra は日本円だと 87,000 円前後が定価のプレミアムモデルなので、製品パッケージの中身は少し豪華な内容でした。パッケージの中身はこちらの記事で詳細に紹介しています。
HTC U Ultra には 4 色のカラバリが存在しますが、今回入手したのはブラックカラーです。台湾ではブルーへの人気が高いようなので、逆に出回っている数ではブラックは希少かもしれません。また、今回の台湾モデルはデュアル SIM 版です。
HTC U Ultra の最大の特徴は新設計の筐体です。前後共にエッジ部分を丸くしたガラスパネル(ゴリラガラス 5)を搭載しており、全体的に艷がありエレガントな雰囲気を醸し出しています。側面フレームはマット仕上げ & ラウンド加工のメタルフレームです。このように HTC U Ultra は全体的に丸みを帯びたデザインとなっています。
下部には USB Type-C コネクタ、メディア用スピーカー、通話用マイクがあります。HTC U Ultra は BoomSound ステレオスピーカーを搭載しており、下部のスピーカーと通話用スピーカーから音楽や動画の音が流れます。音の感じは HTC 10 とほぼ同じでした。
上部には SIM カードと Micro SD カードスロット(第二の SIM と兼用)があります。また、HTC U Ultra に 3.5mm オーディオジャックは無く、ヘッドホンは付属の USB Type-C ヘッドホン(ハイレゾ対応)を使用します。背面のカメラは本体から少し突出しているのでレンズの擦れが気になりますが、レンズのリムの方がわずかに高いので、普通に置くだけであれば傷付くことはないと思います。
ボタンは右側面に集約されており、左側面にボタンやカードスロットはありません。
操作用ボタンはタッチセンサー式で、HTC 10 と構成は同じです。中央に指紋リーダー付きのホームボタン、左右に「戻る」「アプリ履歴」があります。タッチセンサーのバイブレーション強度は HTC 10 よりも少し強めにしたという感じです。個人的には非常に良い振動感だと思いました。
Htc U Ultra は 5.7 インチスマートフォンなので手から溢れるほど大きいと感じるサイズ感です。そのため、HTC 10 よりも片手での操作性は良くありませんが、ガラスパネルがほどよいグリップ感を与えるので、操作性はそこそこ良いと感じました。ちなみに、HTC U Ultra 付属のクリアケースを装着するとさらにグリップ感が増します。
HTC と言えばメタルユニボディのスマートフォンが有名ですが、HTC U Ultra のようなガラスパネル端末もなかなか好印象です。5.7 インチ画面の大きな端末ですが、本体はプレス画像の見た目よりも薄く軽量なので 5.5 インチ端末の感覚で持てます。
HTC U Ultra もう一つの大きな特徴はセカンドディスプレイを搭載したところです。この 2 インチほどの領域には Android の通知、お気に入りアプリ、連絡先、カレンダーの予定、リマインダー(メモ)、音楽プレイヤー、天気予報などを表示することができます。
アプリを操作しながら通知内容(通知パネルを開いた状態と同程度)を確認したり、登録した別のアプリを起動できるのは純粋に便利で、“使える” 機能だと思いました。まだ恩恵は受けていませんが、Sense Companion と呼ばれる AI 機能もこの領域を利用してユーザーに必要な情報をタイムリーに知らせます。
(参考)HTC U Ultra のセカンドディスプレイのレビュー
Android の設定メニューにはセカンドディスプレイ用のメニューが設けられており、メイン画面と独立して動作するのかどうかをユーザー側で設定できます。
HTC U Ultra は HTC のハイエンドモデルなのでカメラにもこだわっています。リアカメラは 1,200 万画素の Ultra Pixel 2 カメラ(1.55μm 画素、F/1.8 レンズ、PDAF、レーザー AF、OIS)。前面には 1,600 万画素と解像度の高い自撮りカメラを搭載しています。リアカメラは Google Pixel と同等スペックなので期待できます。
次は名古屋で撮影したサンプル写真です。基本的にはオートモードで撮影しています。クリックすると拡大します。
カメラと並んでオーディオ機能も優れています。上述の HTC BoomSound はもちろん、ハイレゾ音源の再生と動画撮影中のハイレゾ録音も可能です。さらに、HTC USonic と呼ばれるイヤホン向けのオーディオ最適化機能が追加されており、ユーザーの耳孔の形状に合わせてシステムが自動的に最適な音になるよう調節します。HTC USonic は通知パネルや設定メニューで ON / OFF できます。
(参考)HTC USonic のレビュー
HTC U Ultra は HTC スマートフォンで最初に Qualcomm Snappdragon 821 プロセッサを搭載したハイスペックな機種です。HTC 10 と同等かそれ以上の性能を発揮していました。解像度が WQHD ということもあり、ベンチマークアプリで 3D グラッフィックのスコアは若干低めでした。
おそらく、多くの方は Htc U Ultra のバッテリーの持ちを気にしていると思います。5.7 インチ画面で 3,000mAh という容量はこのクラスの平均より少なめです。しかし、次のテスト結果のように、残り 22% になるまで 7 時間も使用でき、その後の予想使用時間でも2 時間ほど使用できるようなので、トータルで 9 時間ほどは使えることになります。体感的には他のスマートフォンよりも使用時間が短いと感じましたが、節電を意識すれば丸一日の使用は十分に可能だと思います。
参考 : モバイルゲージ
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