Amazon Echo Plusのレビュー AIアシスタントAlexa入りのスマートスピーカー
Amazon の AI アシスタントを内蔵したスマートスピーカー「Echo Plus」を入手しましたので、Echo ブランドの製品でいったい何ができてどのように私たちの生活で役立つのかを中心にこの製品のレビューをお送りしていきます。なお、本記事を公開した 12 月 時点で Echo シリーズはまだ招待制でしか販売されておらず、本格的には発売されていません。
Amazon Echo とは、音声だけで操作できるスマートスピーカーのことで、AI を活用した Amazon の音声アシスタント「Alexa(アレクサ)」が内蔵されており、人と会話するかのように話して操作します。
Echo シリーズにはいくつかのバリエーションが存在し、基本モデルは「Echo」ですが、今回入手したのはその上位版となる「Echo Plus」です。また小型の「Echo dot」もあります。
ちなみに海外で Echo は約 2 年前から販売されており、既に日本よりも多くのモデルが販売されています。自撮りカメラ付きの「Echo Look」、バッテリー内蔵のポータブルモデル「Echo Spot」、タッチスクリーン付きの「Echo Show」などです。日本に投入されるのは、第 2 世代の Echo、Echo dot、そして今回紹介する Echo Plus の 3 モデルです。
Echo Plus は Echo に無い「スマートホームハブ機能」をサポートしており、例えば Philips Hue のスマート LED 照明や Qrio Smart Lock のセキュリティロックなどのスマートデバイスを音声で制御することができます。自宅をスマートホーム化している方は Echo Plus を選択すると、その恩恵を受けることができます。
Echo Plus のパッケージ内容は Echo Plus 本体、電源ケーブル、簡易説明書のみと至ってシンプルです。Alexa 用のリモコンも出回っていますが、標準では同梱していません。
標準モデルの Echo はもっと小さいのですが、私が入手した Echo Plus はかなり大きめで、それは Google Home の約 2 個分といったところです。
Echo Plus の設置は単純に電源ケーブルを繋ぐだけです。すると勝手に起動し、初期のセットアップモードを開始します。
Echo Plus を実際に使えるようにするには Google Play ストアで配信されている「Alexa」アプリを使用して Echo Plus を Wi-Fi に繋ぐ必要があります。方法は異なりますが、やることは FireTV や Fire タブレット、Kindle リーダーとほとんど変わりません。
使用を開始する前の準備はこれで完了しました。さあ使っていきましょう。とその前に、Echo Plus の本体操作を簡単に紹介します。Echo Plus には本体の上部に 2 つのボタンとボリューム調節用のリング(LED が仕込まれている部分)があります。ボリュームはリングを回せば上げ下げでき、ボタンの一つはマイクミュートボタンで、もう一つはコマンド実行・停止ボタンとなっています。
Echo Plus では「アレクサ」で始まる音声コマンドを使って Alexa を呼びだし指示を送ります。このウェイクアップコマンドは標準では「アレクサ」に設定されていますが、Alexa アプリの設定メニューで「Amazon」や「Computer」などに変えることも可能です。
Alexa の機能はまさに数えきれないほど膨大です。この記事で全てを紹介することはできませんが、その中でも代表的なものを挙げると、「ネットショッピング」、「ネット検索」、「音楽再生」、「ニュースやスケジュールの読み上げ」、「タイマーやアラームの設定」、「スマートデバイスの操作」、「Alexa スキル」があります。
Alexa の声は大人の女性の声で、Google Home の声よりも少し大人っぽい声質です。機械音声なので所々ぎこちなく喋りますが、けっこう流暢に喋っていると思います。また音声コマンドによっては声色を若干変えるので、Google Home よりも感情豊かです。でも声質は Google Home の方が好きですね。
これまでに何度か紹介した「Alexa」アプリは Echo シリーズの製品を使用する上では欠かせないアプリです。Echo Plus が表示できないテキストや画像の情報をスマートフォンのアプリ画面にカードとして表示するので、検索結果をスマートフォンで見たり、再生している音楽の曲名を確認するといったことに役立ちます。また Echo Plus の設定や管理、Echo Plus が連携可能なデバイスやサービスとのリンクも可能です。
ここから Echo Plus がどのような機能を持っているのかを紹介していきます。さしあたり、「アレクサ、今日の天気は?」と尋ねると、Echo Plus は登録された位置情報に基づく天気予報や最高 / 最低気温を教えてくれます。近くのカフェや映画館、映画の上映スケジュールを調べたり、はたまたジョークを言ったりもします。
リマインダー、アラーム、タイマーといった日常生活の中で役立つツールもある程度完備しています。
Amazon 製品ならではの機能が「Amazon ショッピング」です。「アレクサ、○○ を探して」と言うと、○○ にマッチする商品を Amazon.co,jp で検索し、カートに追加するか、そのまま注文することができます。プライム対応商品は購入可能のようで、注文履歴の中身も探すので定期的に注文している商品の再購入も音声だけで行えます。ただ、デバイスの特性上、全ての商品は確認できません。検索上位の商品や最もマッチする商品のいくつかが提示される程度なので、まともにショッピングをしようと思う場合は PC を利用する必要が出てきます。
Echo シリーズは「スマートスピーカー」と呼ばれるだけあって音楽機能はとても充実しています。基本的には Amazon ミュージックのストリーミングを実行しますが、「d ヒッツ」や「うたパス」にも対応しています。
「アレクサ、音楽を流して」と指示すると、Alexa は「おすすめのプレイリストより、“アニソン集めてみた” を再生します」と言って最近再生したプレイリストを再生します。また、「アレクサ、宇多田ヒカルの曲を流して」と指示すると、「宇多田ヒカルの曲をシャッフル再生します」と言い、シャフル再生をはじめます。このように様々な切り口で指示してもそれに応じて適切な音楽を選択してくれます。ユーザーの視聴履歴を学習して最適化するので使えば使うほどあなたにピッタリな曲を提案するはずです。
Echo Plus において音楽機能が特別扱いなのは Alexa アプリに専用タブが設けられていることでも実感します。ここでは現在再生している曲、過去に再生した曲、アルバム、プレイリスト、アーティストの情報を確認できます。
Echo Plus はスマートホームハブ機能をサポートしており、他社のデバイスを音声で制御することができます。次の動画は Philips Hue の操作デモです。明かりを点けたり消したりすることはもちろん、光の量を上げ下げすることもできます。しかし、Google Home ならできる色の変更は Alexa では出来ないようです。
Echo シリーズの製品が便利なのは「Alexa スキル」のおかげです。スキルとは、外部の企業が Alexa のために開発したアプリやサービスのことです。スキルは Alexa アプリの「スキル」セクションで見ることができます。
次の動画の例だと、ラジコのネットラジオを再生したり、JOYSOUND でカラオケを練習したり、JR 東日本の各路線の運行情報を確認することができます。日本語に対応したスキルは既に 250 を超えているので、ひょっとしたら超便利なものが見つかるかもしれません。
Echo Plus をしばらく使った中で感じたことは、さすが Google Home より 1 年も先に発売されただけのことはあるなと感じる完成度の高さだったことです。先駆者としての経験と実績によって大抵の場合は Google Home よりも正確にユーザーの言葉を理解するので、同じコマンドを実行しても Alexa では一発で通るのが、Google Home では聴き取り間違いでミスすることが度々見られました。
例えば、私の滑舌の問題かもしれませんが、「ポリフィア」という単語を Google Home はよく「トリビア」と聞き間違えます。Echo Plus は一度も聞き間違えはせず、ちゃんとポリフィアの曲を再生します。このようなミスが Echo Plus では少ないということです。
しかし Google Home はデバイス連携で Echo Plus を凌駕しています。さすが Google 先生といった印象です。連携可能なデバイスの種類は Echo Plus よりもはるかに多く、しかもデバイス毎に可能な操作も Echo Plus よりも多い。
さらに、Google Home は Android スマートフォンと連携して、電話や端末を探すなどの操作をしたり、Android TV や Chromecast に動画を転送したり、接続したテレビの電源までも制御できるなど役立ちます。Google デバイスで自宅をまとめている私にとっては Google Home の方が便利のはずです。
まとめると、スマートスピーカー単体で見れば Echo Plus の方が優秀で、今後も普及していくであろうデバイス同士の間連携なども加味すれば Google Home の方が優秀だと評価します。
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