Sony Mobileの6.44インチスマートフォン「Xperia Z Ultra」開封の儀&ファーストインプレッション
7月中旬に海外で発売したSony Mobileの6.44インチスマートフォン「Xperia Z Ultra」を入手したので早速開封の儀を執り行います。(業務連絡:ガジェット通信様、本記事の利用はご遠慮ください)
Xperia Z Ultraは通話・SMS/MMS送受信機能を備えたスマートフォンなのですが、画面サイズが6.44インチと一般的なスマートフォンよりも格段に大きく、本体サイズは小型タブレットと言えるほど巨大です。
画面サイズが6.44インチになったのは、持ち運びやすさを損なわなずに極力画面サイズを大きくすることを目的に、先に本体デザインを決定したことでこのサイズが導きだされたとされています。なので、Sonyが考える最大画面のスマーtフォンがXperia Z Ultraということになるかと思います。
Xperia Z Ultraの本体サイズは179.4mm×92.2mm×6.5 mm。Nexus 7などの7インチタブレットよりもコンパクトで、厚さが6.5mmとスリム、さらに、質量も212gと軽量なことから、片手で楽々と持ているのですが、画面サイズが一般的なスマートフォンよりも大きいので、Xperia ZやXperia Aなどの普通のスマートフォンのように、片手で完全に操作することは(私の手では)不可能でした。
内部スペックはかなり高いです。プロセッサはQualcommの現行最上位モデルとなるSnapdragon 800 MSM8274 2.2GHzクアッドコアを搭載。RAM容量は2GB、内蔵ストレージの容量は16GB、Micro SDカード(最大64GB)を搭載。カメラは背面に800万画素「Exmor RS for Moible」、前面に200万画素CMOSを搭載。
ワイヤレス機能は、Wi-Fi a/b/g/n/ac(2.4GHz/5GHz帯、スループットは最大325Mbps)、Bluetooth v4.0(apt-Xコーデック対応)、ワイヤレスディスプレイ(Miracast)、DLNA、NFC(Type-A/B)、GSM/WCDMA/LTEに対応しています(C6802はLTE非対応です)。バッテリー容量は3,050mAhとこの画面サイズとしては決して大容量とはいえません。
今回入手したのは、3G HSPA+版の「C6802」の香港版です。価格は配送料を含めて6万円ちょっとでした。カラーはブラック、ホワイト、パープルの3色ですが、私が選んだのはブラック。
では開封していきます。まずは製品箱から。本体サイズは上述の通りで小型タブレット並なのですが、箱は意外とコンパクトなものが使われていました。タブレットのようにピッタリ収まる詰め方をしているので、サイズを大きくする必要はなかったのでしょう。ただ、箱はXperiaスマートフォンのものよりも厚手の紙が使用されているようで、硬く感じました。
同梱品は、Xperia Z Ultra本体、L型コネクタのヘッドセット、Micro USBケーブル、USB電源アダプタ、セットアップガイドなどの書類。専用クレードルや試供品のMicro SDカードなどのおまけ的なものは付属していませんでした。
Xperia Z Ultraの外観
本体デザインはXperia ZやXperia Tablet Zのようにフラットで全体的にバランスのとれた構造を採用しています。Xperia Zの大画面バージョンと言っても良いでしょう。しかし、厚さが6.5mmなので持った感じは厚さ7.9mmのXperia Zよりも明らかに薄く感じます。フロント部分の上部には受話用のスピーカー、下部未通話用マイクが備えられており、普通のスマートフォンと同じ作法で通話します。他のパーツの配置も最近のXperiaスマートフォンとほぼ同じです。
背面もフラット形状で、Xperia Zと同じく表面にガラスパネルが貼付けられており、光沢があって、表面は若干ツルっとしています。カメラ用のLEDフラッシュは搭載されていませんでした。
上述のように6.44インチという画面サイズのスマートフォンなので、片手でがっちり掴むことは容易なのですが、画面上のすべての部分を片手で持ったままタッチすることは私の手では不可能でした。なので、操作する際は片手で握ってもう片方の手の指で操作する、または、ゲームボーイをプレイするような感覚で両手で握って操作するのいずれかになるでしょう。Nexus 7などの小型タブレットよりもコンパクトで軽いので、長時間持っても全然疲れませんでした。
左側面にはMicro USB(カバー付き)、中央の端子はマグネット式充電端子で、今のところ、専用クレードル「DL30」がこれに合う充電端子を備えています。
右側には中央に電源ボタン、その左にボリュームボタン、その右にはMicro SDカードスロットとMicro SIMカードスロット(カバー付き)、右端には3.5mmイヤホンジャックが搭載されています。カバー無しですが、それでもIP58の防水・防塵に対応しています。Xperia Z Ultraにカメラシャッターはありません。
上部には何もありません
下部にはストラップホールと音楽などのためのスピーカーがあります。
本体サイズを画面サイズ4.6インチのXperia A、5インチのXperia Zと比較してみました。こうして見ると、5インチスマートフォンよりも格段に大きいことがわかります。
上に乗せたのはXperia Zです。
本体サイズを画面サイズ7インチのNexus 7(2013)と比較してみました。
上に乗せたのはXperia Z Ultraです。
Xperia Z Ultraには6.44インチ1,920 x 1,080ピクセルのTFT液晶が搭載されています。ディスプレイに“TRILUMINOSディスプレイ”技術と“モバイルX-Realityエンジン”をスマートフォンで初めて採用したことがXperia Z Ultraの特徴の一つです。
”TRILUMINOSディスプレイ”は、CES 2013で発表されたSonyの新ディスプレイ技術で、バックライトに白色LEDを採用しながらも、量子ドット技術によりLED光源のうち赤と緑の純度を向上、RGBバランスを整えることで、より多彩な色を表現できることから、色再現性が従来よりも向上したとされています。また、“モバイルX-Realityエンジン”は従来の“モバイルBRABIAエンジン2”をアップグレード版で、写真と映像を自動でくっきり、色鮮やかにするとされています。
また、Xperia Z Ultraのディスプレイはペン入力をサポートしており、導電性のある先端を持ったものであれば何でも描くことができるとされています。
Xperia Z Ultraのソフトウェア
Xperia Z Ultraに搭載されているOSバージョンはAndroid 4.2.2。ソフトウェアビルドは「14.1.B.1.510」です。Xperia ZやXperia ZLなどの今年前半に発売されたハイエンドモデルからUIデザインや壁紙が新しくなっており、見た目が随分と変わりました。
ホームアプリはドックバーのボタンデザインが変更。ドロワーには左サイドにソートやアンインストール、PlayストアやSony Selectのショートカットなどを含むメニューバーが追加されています。
従来モデルの設定メニューの背景はブラックでしたが、Xperia Z Ultraでホワイトに変わりました。カテゴリ構成やUI要素のデザインは従来どおりなので、操作性自体は変化していませんが、細かいところを言えば、ロード時のアニメーションがサークル上からインジケータ風のものに変わったりしています。
UIのレイアウトはXperiaスマートフォンと同じで、アプリの表示や操作の仕方は従来のXperiaスマートフォンと変わりませんが、画面サイズが大きいので表示領域が拡大するなど若干の変化がみられます。Sony Mobileが小型タブレット用に変更した箇所といえば、ホーム画面を自動回転に対応させたこと、ホームアプリにアイコン数を増加したこと、後述しますが、スモールアプリが一度に復数利用できるようにしたことくらいでしょうか。
Xperia Z Ultraでは、スモールアプリが一度に復数表示できる仕組みになっています。
「画面設定」メニューに画面の省エネ化を図る「バックライト最適化」という項目が追加されていました。
プリインストールされているSonyのメディアアプリはAndroid 4.2.2向けに最近配信開始となった最新版でした。ちなみに、Xperia Z UltraはDTCP-IPに対応していないので、nasneなどの放送中・録画番組を転送することはできませんでした。
Xperia Z Ultraのその他の機能を箇条書きにします。
- Throw再生
- スクリーンミラーリング(Miracast)
- PS3の「DUALSHOCK3」サポート
- MirrorLink
- NFC(Androidビーム)
- STAMINAモード、低バッテリーモード、バッテリー残量の%表示
- MyXperia
- Micro USB経由のHDMI出力(MHL)
- Snoy Entertainment Network
- PlayStation Mobile
- ClearAudio+、Clear Phase、ダイナミックノーマライザー、VPTサラウンド、xLOUDなどなど
Xperia Z Ultraのカメラ機能
リアカメラは800万画素のExmor RS(フラッシュ無し)、フロントカメラは200万画素CMOSです。撮影モードで「おまかせプレミアムオート」、「連写」、「ピクチャーエフェクト」、「スイングパノラマ」。などはサポートされており、写真と動画のHDR撮影も可能(動画は720pまで)でした。カメラUIや機能はXperia ZやXperia A相当と言えるでしょう。動画は前後ともに最大1080pで撮影できます。
Xperia Z Ultraのパフォーマンス
Xperia Z Ultraの性能については、内部スペックが現在販売されている他社のハイエンドモデルに勝っていることもあり、十分満足できるほどでした。特にアニメーションがより滑らかに見えるようになったこと、アプリのボタンを押した時の反応が良くなったことがはっきりと体感できます(比較対象はXperia Zです)。
この性能の向上に最も寄与したのはおそらくプロセッサでしょう。Xperia Z UltraにはKrat 400コアを採用したSnapdragon 800 MSM8274 2.2GHzクアッドコアが搭載されています。CPU・GPUともにSnapdragon S4 Pro/600よりも高性能なので、体感性能やベンチマークスコアでも最近のハイエンドモデルよりも上だと感じました。張り合う相手は今のところTegra 4端末だけでしょう。RAMも2GB積まれており、タスクキルを実行した後の空きRAM容量は1.2GB前後でした。けっこう余裕がありますね。
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