グローバル仕様の「Nokia 6(TA-1003)」のレビュー
海外で最近発売された Nokia ブランドの Android スマートフォン「Nokia 6(TA-1003)」を入手したのでの機種のレビューをお送りします。
Nokia 6 はフィンランドの端末メーカー HMD Global による初の Nokia スマートフォンで、Nokia 自身が設計・開発・製造したわけではなく、あくまでも、Nokia のブランド名を冠しているだけの機種になります。それでも Nokia 公認の Android スマートフォンなので、国内外で発売前から注目されていたと思います。
Nokia 6 は 1 月中旬に中国で先に発売されましたが、今回の Nokia 6 はその後発表されたグローバルモデル「TA-1003」の台湾モデルです。台湾では約 8,000 台湾ドル(約 29,500 円)で販売されています。
Nokia 6 は Android 7.0 Nougat を搭載したミッドレンジクラスのスマートフォンです(Nokia のスペックシートだと Android 7.1.1 Nougat ですが・・・)。大きな特徴としては、Nokia ブランドを冠したところ、3 万円を切る価格帯ながらもプレミアムモデルと遜色ない高級感のあるボディデザイン、価格以上のスペックを備えているところだと個人的には思っています。
Nokia 6 の主要スペックは、5.5 インチ 1,920 x 1,080 ピクセルの液晶ディスプレイ、Snapdragon 430 1.4GHz オクタコアプロセッサ、3GB / 4GB RAM、32GB / 64GB ROM、Micro SD カードスロット(最大 128GB)、背面に 1,600 万画素カメラ、前面に 800 万画素カメラ、3,000mAh バッテリーを搭載しています。筐体サイズは 154 x 75.8 x 7.85 mm です。
また、前面の下部にホームボタンと指紋リーダーを搭載しており、Dolby Atmos のサラウンド機能にも対応しています。
同梱品は Nokia 6 本体、USB ケーブル、AC アダプタ(2 ピン仕様)、耳掛けタイプの有線イヤホン、SIM スロット取り外しツール、取説です。
まずは Nokia 6 の筐体デザイン。Nokia 6 の本体ケース 6000 系のアルミ合金を削り出して製作したメタルボディを採用しています。背面は一見すると、プラスチックボディのような感じですが、実際に触れてみると金属のバックカバーでした。背面の「NOKIA」ロゴはプリントではなく刻印です。
前面は、最近の流行りとも言える 2.5D 仕様のガラスパネルを搭載しています。エッジ部分は非常に滑らかな印象で、前面にも「NOKIA」ロゴが今後はプリントされています。
Nokia 6 を実際に持つとメタルボディなのでズッシリとしていますが、本体がけっこうスリムで手にもよくフィットするフォルムです。そのため、端末を操作していても重たさを感じることはありませんでした。
右側面の電源ボタンとボリュームボタンもメタル仕様です。クリックがあり、押し心地は抜群。
下部にはスピーカーと通話用マイク、Micro USB コネクタがあります。
左側面には SIM スロット + Micro SD カードスロットのコンボトレイがあります。Nokia 6 はデュアル SIM に対応しており、一方は Micro SD カードと兼用です。
Nokia 6 のディスプレイは 5.5 インチ 1,920 x 1,080 ピクセルの IPS 液晶です。インセル型のタッチパネルを採用しているためか、画質は良く表示色に異変を感じることはありませんでした。また、タッチ操作への応答性も良好で、安価なスマートフォンでよく見られるタッチへの応答がガタガタする現象は Nokia 6 では発生していませんでした。
Nokia 6 はタッチセンサー式のナビゲーションボタンを採用しており、中央はホームボタン、左は戻るボタン、右はマルチタスクボタンとなっています。バイブレーションの感度は “野太い“ 感じです。個人的には合格レベルの感度だと思いました。
Nokia 6 に興味を持っている方の関心部分はおそらくファームウェアの中身だと思います。詳しくはこちらの記事で説明していますが、基本的には素の Android に近い内容です。グローバルモデルは Google Play に対応していますが、日本語には対応していません(こちらの記事で日本語化する方法を紹介しています)
それでも、Nokia っぽさ(?)を出すためか、ホームアプリ、アプリアイコン、壁紙、カメラアプリをオリジナルデザインに変更しています。ただ、こうしたカスタマイズされた部分を考慮しても、中身は Nexus や Pixel とさほど変わらないと言えます。
Dolby Atmos はオーディオのサラウンド機能です。詳細はこちらの記事で紹介しています。
Nokia 6 独自と言える「Motion」は端末を伏せると着信を拒否したりといったジェスチャー機能の ON / OFF が行えます。
Nokia 6 の指紋リーダーでは、ロック画面の指紋認証やアプリの指紋認証が可能です。
正直なところ、Nokia 6 にユニークな要素は無いに等しいと言え、いたって普通のスマートフォンです。Nokia ブランドに強い拘りがなければ、わざわざ Nokia 6 を選ぶ必要はないかと思っています。
普通のスマートフォンと言いつつも、カメラアプリだけはほぼ完全にオリジナル仕様となっています。シャッターボタンやカメラオプション、メニューの表示など、タッチする部分は Nokia カメラっぽいデザインとなっており、ほかにも、プレビュー画面には方位計や水準系を表示したり、写真に透かしを入れたり、画質パラーメータを自動または手動で調節することもできます。さらに、アプリ UI のカラーリングを「テーマ」で変更することもできます。
Nokia 6 のメインプロセッサはエントリー向けの Snapdragon 430 です。Snapdragon 430 の CPU は Cortex-A53 1.4GHz x4 + 1.1GHz x4 のオクタコア仕様ですが、全てのコアが低消費電力タイプなので、現代のフラッグシップスマートフォン並みの性能は期待できません。Antutu のスコアは 45,000 点なのでこのスコアである程度の体感性能を予想できると思います。一方、性能において重要な RAM は 4GB も積んでいるので、多くのアプリを起動している場合のラグは比較的少ないと思います。※ TA-1003 の RAM は基本 3GB ですが、手元の Nokia 6 は 4GB でした(手元の Nokia 6 はスペック上でも 4GB の Arte Black モデルではないのですが・・・)。
ワイヤレス通信については、GSM、WCDMA(Bands 1 / 2 / 5 / 8)LTE(Bands 1 / 3 / 5 / 7 / 8 / 20 / 28 / 38 / 40、Wi-Fi b/g/n、Bluetooth v4.1、に対応しています。LTE Cat 4 対応なので、下り速度は最大 150Mbps、上り速度は 50Mbps です。また、TA-1003 は VoLTE に対応しています。
Nokia が公開している TA-1003 のスペックシートに NFC 対応と記載されていますが、手元の TA-1003 は NFC に対応していません。Android の設定メニューに「NFC」の設定メニューすらないのです。
Nokia 6 のバッテリー容量は 3,000mAh です。5.5 インチスマートフォンで 3,000mAh は標準的な容量だと言えます。実際に使ってみると、約 82% の容量でおおよそ 10 時間ほど使用できました。次のテスト内容だと就寝中のバッテリー消費量もカウントされていますが、1 日と 1 時間は持続していることになります。体感的なバッテリーの消費は激しくないと感じましたが、使用内容によってはこの限りではありません。
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