本のように楽々と持ち運べるGPSドローン「Funsnap iDol」のレビュー

投稿日時 6月 22nd, 2018 by juggly 投稿カテゴリ » ピックアップ記事, ブログ
コメントは受け付けていません。

ドローン空撮が趣味の私はこれまでに様々なドローンを試してきましたが、今回は機体を半分くらいに折り畳めて携帯性に優れた「Funsnap iDol(Xiaomi iDol)」のレビューをお送りします。

Funsnap iDol の概要はこちらの開封記事で紹介しているので本記事では割愛し、本記事では Funsnap iDol の実態をお伝えします。ちなみに、写真や動画の機体は中国の EC サイト Banggood より提供を受けたものなので、本記事はプロモーション記事となります。

■ Banggood 商品ページ
■ Banggood アプリ

クアッドコプター型のドローンというと、小さなボディから 4 本のアームが飛び出た、まるで昆虫やヒトデのようなデザインが主流だと思いますが、Funsnap iDol はそうした普通のドローンとは異なり、一枚の板といった機体デザインです。一見すると大きな印章を受けますが、次の写真のように、DJI Tello と比較するとそれほど差はないので、比較的小さなドローンだと言えます。

たぶん Funsnap iDol を初めて目にした方は、「これで本当に飛ぶの?」や「仮に飛んだとしても安定するの?」と思うかもしれません。しかし、数日のテストを通じて、ホバリングや単純な飛行時の安定性は素晴らしいものでした。次の動画をご覧になると、それがよくお分かりになるはずです。

特に、ホバリングの安定性は驚くものでした。Funsnap iDol は GPS だけでなく、機体底部にシングルカメラタイプのビジョンセンサーと超音波センサーが搭載されており、室内といった GPS 電波が拾えない状況では「Optical モード」となり、屋外だと「GPS モード」が有効になるため、ビジョンセンサーと GPS の働きでとても安定します。飛行中に捕捉する GPS 衛星の数は 18 ~ 20 でした。捕捉も速く、GPS ロックで待つ時間はほんの僅かでした。

DJI ドローンでは当たり前の「ピタッとホバリング」は Funsnap iDol にも言えることだと評価しています。例えば、Mavic Pro の安定性が 10 点満点だとすると、Funsnap iDol の安定性スコアは 8 ~ 9 点です。比較的安定性の高い GPS ドローン「Hubsan H216A」や「SJRC S70W」の安定性スコアが 6 ~ 7。なぜ、Funsnap iDol の方が高いスコアなのかというと、それは室内でも安定してホバリングしていたからです。Mavic Pro とスコア差を付けているのは、やはり DJI ドローンには及ばない、という私の評価を含めています。

次に特出するのは優れた携帯性です。機体を半分に折りたためるのは何も機体サイズをコンパクトにできるだけでなく、機体フレームがケージのようにプロペラを保護するので、運搬時にプロペラが破損することを防止するメリットもあります。ここまでは開封記事で言及しているのですが、Funsnap iDol の折りたたみ方式というのは携帯性において Mavic シリーズより優れていると思いました。

というのも、Funsnap iDol を折りたたむと一冊の本のような形状になります。つまりバッグにスッと収納できるということです。12 インチノート PC 用の PC バッグにも収納できたので、かさばる Mavic よりも携帯性は良いと言えます。

いくら収納性が良いと言っても外装はプラスチック素材で出来ているので、強く圧迫するとフレームが破損する可能性がありますが、バッグが潰されるような状況でない限り、壊れることはないと思います。

もちろん良いことばかりではありません。弊害もあります。それはアームを開き飛行可能な状態にしたときに底部が地面とスレスレになるので、小石がたくさん転がっている場所や芝生だと機体底部やプロペラが地面の小石や草と接触して破損する恐れがあります。離着陸する場所を選ばなkればなりません。もしくはランディングパッドを敷くかです。

空撮ドローンで大事なカメラですが、Funsnap iDol には 1/3 インチの 500 万画素カメラが搭載されており、動画は 1080p@30fps で、写真は 2,688×1,520 ピクセルで撮影できます。ソフトウェアレベルの電子式手ブレ(EIS)は付いてないので、映像は機体の動きや振動に合わせてブレますが、写真や映像の画質そのものはそこそこ良く、SNS でシェアするくらいのクオリティは出るはずです。ちなみに、ユーザー側で制御できるカメラパラメータは無く、どちらもオート撮影になります。

Funsnap iDol はまた、電子制御でカメラを上に 30 度、下に 90 度の範囲で回転させることができます。角度は段階的にしか切り替わりませんが、飛行中でも角度を調節できるので、高く飛ばしている時でも地面を狙ったアングルで撮影することができます。

Funsnap iDol には「Ai ジェスチャーコントロール」というサブタイトルが付いています。これは、カメラが人や手の動きを認識するということです。

例えば、「Intelligent Tracking」を ON にすると、被写体を認識して追尾します。追尾時に機体は回転しますが、移動はしません。具体的には、人が横方向に歩いている時には回転しながら追尾しますが、逃げたりする時に追尾飛行することはありません。DJI ドローンで言えば、アクティブトラックのスポットライトモードと同じ動きをします。

Funsnap iDol には「Gesture Controlという機能もあり、ハンドジェスチャーで機体を制御できるはずなのですが、まだマニュアルが公開されておらず、どのジェスチャーが使えるのかが不明なのです。ということで、これはまだ試せていません。

「Rocket」、「Dronie」、「Surround」は DJI ドローンで言う所のクイックショット機能です。「Rocket」と「Dronie」は分かりやすいのですが、私も初めて目にする「Surround」というのは、機体が 360 度ゆっくりと回転しながら動画を撮影するパノラマショット機能です。DJI Tello の「360」がこれに相当します。

Funsnap iDol は遠くに飛ばして高所から広々とした風景を空撮するというドローンではなく、近場で飛ばして空撮セルフィーを楽しむという DJI Spark のようなドローンになります。そのためか、標準の機体スピードはとてもゆっくり。DJI ドローンなら「トライポッドモード」で飛ばしている感覚です。。EIS は付いていませんが、飛行はゆっくりなので、カメラ映像はそこそこ安定しています。

最後にバッテリーの持ちです。Funsnap iDol の機体重量は約 350g で、バッテリー容量は 1,800mAh になります。発表されているフライト時間は 10 分ですが、残量が 30% の時点で低バッテリー警告が表示され、15% で強制 RTH が作動します。安全な範囲で飛ばせる時間はおよそ 8 分前後です。DJI Spark よりも少し短いなという感じでした。

ちなみに、Funsnap iDol の RTH(Return to home、自動帰還)は思ったより正確で、とてもびっくりしました。テスト時に RTH を何度か行いましたが、毎回ほぼ完璧に離陸地点で着陸していました。ただ一度、2m ほどずれた時があったので、必ずしも正確というわけではありません。

Funsnap iDol はとにかく持ち運びやすく、飛行にも一定の信頼がおけるドローンでした。お出かけセットの一つに加えておくと思いがけない空撮のチャンスで活躍しそうです。ただ、機体重量が 200g を超えるため、日本国内で使用する場合には航空法の対象になり、そうした点には注意が必要です。