Android、iPhone 3GSユーザから見たiOS 4の「マルチタスキング」機能
私は普段Androidにまつわる記事を書いているのでどちらかと言えばAndroid寄りと見られてしまっても仕方ないのですが、そんなAndroidユーザから見たiOS 4の「マルチタスキング」機能についてつらつら書いてみようと思います。
私は開発者でも何でもない一般ユーザなので技術的なお話よりも実際にiPhone 4を使ってみてどうだったのか、ということを書きますので厳密に言えばどうだっていうお話は無しの方向でお願いします。
そもそもマルチタスキングって?
iOS 4から追加されたいわゆる「マルチタスキング」機能なのですが、マルチタスキングって特出すべき機能なの?複数アプリがバックグラウンドで動作するから「マルチタスク」って言うんじゃないの?って思います。
おそらく、Androidユーザの多くの方は「マルチタスク」だなんて言葉を口にすることはあまりないと思います。少なくとも、私がAndroidを手にした時からアプリはバックグラウンドでも動作しているから。
そういう環境に慣れ親しんでいた私なので、iOS 4の「マルチタスキング」機能ってある意味で衝撃を受けましたね。まあもともとiPhoneはシングルタスキング環境で、途中からマルチに変わったから大騒ぎされるのも無理ないと思います。特にiPhoneだけユーザの方はね。
逆に、この秋リリースされる要諦のWindows Phone 7はシングルタスクらしいので、それ以前からWindows Mobileを利用していた方はそれを手にした時に衝撃を受けるのだと思いますよ。それと一緒。
マルチタスキングの操作性は?
iPhone、iOS 4のマルチタスキング機能ってホームボタンをダブルクリックすれば下部に”起動している”アプリ一覧が表示されているのでそこから切替えたいアプリをタップします。基本的にこれの繰り返し。起動していないアプリを起動させたければホーム画面に戻っていつもどおり起動させる。
ネットなんかを見ているとこれがエレガントでスマートなアプリの切り替えだと賞賛されているけど、逆にそれ以外の切り替え方法って無いの?って思います。
Androidの場合は多種多様な切替え手段が用意されてて、「戻る」ボタンを押せばブラウザで前のページに戻るような感覚で前に起動していたアプリに切替えることが出来るし、ホームボタンを長押しすれば起動または最近起動したアプリリストが表示されて切替えることができる。さらに、Androidマーケットにはいろんなアプリ切り替えアプリが公開されてて、タスクバーを引っ張ってアプリリストを表示させて切替えたり、端末をシェイクして切替えたり、もちろんiOS 4ライクな切り替えアプリだって存在します。
でも一番楽なのはホームボタン長押し、戻るボタンを使ったアプリの切り替えですね。
例えば、ブラウザでWEBサイトを閲覧している際にメールを受信しました。タスクバーを引っ張ってメールを表示させアーカイブなどの後処理を行って「戻る」ボタンを一押し。これでまたブラウザに戻ってWEBサイトを読み薦めていくことが可能です。うーん、スムーズ。
一方、iPhoneで同じことをやろうとすれば、いちいちホームボタンをダブルクリックしてアプリを切替えてあげる必要があります。ま、アプリの切り替え自体はスムーズで気持ちよいのですが、あまりにも不自然。ここでAndroidとの違いがハッキリわかれてくると思いますよ。ま、iPhoneだけユーザの方には分からない話かもしれませんが・・・。
本当に動いているの?
問題はここ。いくらiOS 4からマルチタスクになった!と言ってもそもそも現時点でのiOS 4でサポートされているバックグラウンド処理は特定の操作にしか対応していません。
例えば、SkypeなんかのVoIPアプリをバックグラウンドで動かし話をしながらSafariを起動してWEBサイトを閲覧したり、iPod以外のラジオ・音楽アプリで再生している音楽をバックグラウンドで再生し続けたり、GPSアプリを使ってバックグラウンドで位置をトラッキングしたりとかね。
他にもいくつかサポートされているバックグラウンド処理、マルチタスキング機能があります。詳細はTech Waveとかで確認してみてください。
しかしながら、これらバックグラウンドでの処理を行わせるためには、アプリ側でiOS4に対応しなければならないんですよ。だから、もうiOS4を使ってみた方はお分かりだと思いますが、ほとんどの操作の場合、現状のマルチタスキング機能はただの”最近起動したアプリ切り替え”でしかないんです。
これは、iOS4のマルチタスキング機能としてサポートされている「Task Finishing」に対応していないアプリが多いからだと思うんですが、いちいちホームボタンをダブルクリックして別のアプリに切替えたところで、切替えた先のアプリはまたあのぼわーんと最初から起動してくる・・・。さっきまで表示していた画面じゃなくてまた最初からやり直し・・・ってな具合です。
とは言っても、Safariやメール、YouTubeなどのAppleが提供しているアプリや、Twitter公式アプリなんかのマルチタスクに対応したアプリなんかはちゃんと文字通りマルチタスクっぽい動きを見せてくれて使いやすいです。
Androidの場合は起動させたらほとんどは動きっぱなし。GPSアプリ、同期アプリ、メールアプリ、音楽アプリ、ウイルススキャンアプリ、Twitterアプリ、カレンダーアプリ、ToDo管理アプリ、時計アプリ、辞書アプリ、ニュースアプリ、RSSリーダーアプリ・・・と、今まで数多くのアプリを使ってレビューなんかしてきましたが、どれもiOS4で体感した”また最初から・・・”という動きはほとんどありませんでした。
そういうわけなんで、”Androidってバッテリーも持たないんでしょ????”とiPhoneだけユーザさんに言われたりすることも多々あります。まあ、あれこれバックグラウンド動いて同期したり、アップロードしたりしてればバッテリーが持たないのもある意味仕方ない話だと思いますけどね。
そういう意味で言うと、iOS 4の限られたマルチタスキング機能は良いと思いますよ。だって、HT-03AやNexus Oneと比べてもiPhone 4のバッテリーの持ちは明らかに良いですからね。iPhone 4には1,420mAhの容量のバッテリーが搭載されており、Nexus OneやHT-03A標準バッテリーとさほど変わりありません。しかし、持ちははるかにiPhone 4の方が良いです。
もし、iOS 4に対応したアプリ、iOS 4で許可されているバックグラウンド処理を多用したアプリ(Task Finishing以外)がApp Storeに数多く出回れば、おそらくそうは言っていられないはずで、利用するアプリによりけりですけど必ずバッテリーの持ちが悪くなるはず。だって許可されたバックグラウンド処理を利用しない手は無いでしょ?だからゆくゆくは必然的に本当のマルチタスクな使い方がiPhoneで利用できるようになり、バッテリーの消費が激しくなったとうなだれるのです。
つまり、何が言いたいの?
まあ、いろいろと意味不明なことを書いてしまった感はありますが、言いたいことは現時点での「iOS 4 マルチタスク対応!」という事実だけで、「よっしゃ!これでAndroidと同じ、もう負けるものは何も無い」と思わないで欲しいということです。まだまだiOS 4のマルチタスキングとそれを取り巻くアプリ環境ではAndroidの足元にも及ばない。Androidと比較するのはまだ先の話です。現時点ではただのスーパースムーズアプリスイッチング機能なのです。
「何言ってんだよ!ビクビクしてるんじゃねぇのか??おい!」と言われそうですが、そう思われる方はAndroidを使ってみてください。だってAndroidは元々そういうことが”普通”に出来てたので今更「マルチタスキングじゃ!」って言われても、(´・ω・`)←こんな感じになりますからね。
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