Polar M600のGPSトラッキング機能を実際のランニングでチェック

投稿日時 12月 29th, 2016 by juggly 投稿カテゴリ » ピックアップ記事, ブログ
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Polar の Android Wear スマートウォッチ「Polar M600」を実際のランニングで使用して GPS トラッキングの機能や使い勝手を確認してみました。

M600 は GPS と光学式心拍センサーを搭載しているので、M600 単体でランニング中に心拍数を含むトレーニングログと走行ルートを記録できます。フットポッドには対応していないので、ストライドなどの走行時の脚の動きは記録できませんが、ほぼ一般の GPS スポーツウォッチ並みのトラッキングが可能でした。

実際に 3km のランニングを実施して機能を確認してみたところ、以前使っていた Garmin Forerunner や SUUNTO TC シリーズに引けを取らないデータ記録機能と利便性だったので、ランニングのトラッキングデバイスを M600 に置き換えるのも可能だと判断しました。

M600 のトレーニング機能は「Polar Flow」アプリが提供しています。そのため、スマートフォンにアプリをインストールして M600 に付属のアプリを流し込む必要があります(その後はスマートフォン不要です)。

Polar Flow アプリは M600 下部の Polar ボタンから起動できます。ここでは、トレーニングの開始、トレーニングと日々のアクティビティを確認できます。アプリの作りは非常にシンプルでスポーツ時の操作性を考慮した UI 設計なのでけっこう使いやすいと思います。

メイン機能となる「トレーニング」セクションでは、「ランニング」「筋トレ」「サイクリング」「その他の屋内トレーニング」「その他のアウトドアトレーニング」から実行するトレーニングの種類を選択します。「筋トレ」は速度やペース、GPS ログを記録しない一般的なトレーニングモードです。ウォーキングの場合は「ラニング」を選択すれば良いでしょう。

ランニング中に記録できるデータは、走行ルート(GPS ログ)、走行速度、心拍数(リアルタイム、最大・最低、平均)、合計走行距離、走行時間(合計、1km ラップ)、消費カロリー(合計)、カロリー消費率、昇降高度、1km のラップ・ラップ別の平均速度・平均心拍位数・時間、運動強度別の心拍ゾーンです。

心拍ゾーンは心拍数別に運動時の負荷を判別する機能で、心肺機能の強化やダイエットを効率的に行うために用いられる心拍トレーニングを実行するのに重要です。LT 値や VO2 Max などの心肺機能に関するデータは取得できません。

トレーニング中は上記のデータを M600 の画面を横にスワイプして確認できます。ただ、走行中のスワイプは意外としづらく、慣れないうちはデータの確認がしづらいと思います。

トレーニング後のデータは M600 本体に保存されるので、M600 の画面で確認できます。また、スマートフォンで Polar Flow アプリを起動すると自動的に同期され、クラウドサービスにアップロードされます。本格的な分析はスマートフォンアプリか PC サイトで行いことになります。

ランニング用の GPS スポーツウォッチでラップ機能は今後のペースをどうするのかを考えるのに必要なのでかなり重要です。M600 にはオートラップ機能が付いていますが、オートポーズ機能はありません。しかも、オートラップはラップ更新時に音が鳴らず、1 km 走行したタイミングが分かりません。

ラップ別の表示機能は、ラップタイム、平均速度、平均心拍数。また、全体の中でベストのラップとトレーニング全体のラップ平均も表示されます。ここらへんは一般の GPS スポーツウォッチと大差ありません。

他に気になる点は、心拍数は 1 ~ 2 秒おきに取得されます。6 つの LED で取得するので Wear Link などの胸ベルトと遜色ないほどの精度だと言えます。

また、スクリーンショットをご覧の通り、GPS の精度はそこそもまともでした。一般的に GPS の誤差は数 m なので、M600 の精度は誤差の範囲だと言えます。

最後に、GPS トラッキング時の消費電力は 25 分間のランニング(輝度はオート)でバッテリー 6% 消費したので、単純計算で 6.93 時間トラッキングできることになります。

公称値は 8 時間なので、今回のテストでは 1 時間ほど短い結果が出ましたが、フルマラソン(約 3 ~ 4 時間)は余裕でトラッキングできそうです。

また、富士登山競走(4 時間半)も余裕でしょう。トレイルランニングの場合はコースやレース距離によって様々ですが、分かりやすい例だと、高尾山 ~ 陣場山の往復はたぶん余裕です。おそらく、30km ~ 40km のレースは再充電無しでいけると思います。100km のウルトラマラソンの場合は、トップランナー(6 時間半)ならバッテリーを使い切るまでにゴールすると思います。ちなみに、M600 の充電コネクタは本体の裏面下側にあるので、装着したままの充電はかなり困難です。