スマホでドアをロックできる「Qrio Smart Lock」のレビュー
一般的な玄関のドアや部屋のドアをスマートフォンを使って施錠・解錠できるようにする IoT デバイス「Qrio Smart Lock」を自宅に導入してみました。
Qrio Smart Lock は今流行りのいわゆる “スマートロック” の一種です。普段は鍵を使って施錠・解錠するドアをポン付けでスマートロック化できます。
動作を大まかに説明すると、スマートロック本体(Qrio Smart Lock)に内蔵された Bluetooth モジュールと個体ごとに発行されるセキュリティキーを登録したスマートフォンが Bluetooth で通信することによって、ドア内側から錠を開け閉めするという仕組みです。
スマートロック製品は最近増えていると思いますが、その中でも今回の Qrio Smart Lock はポピュラーな製品で、ベンチャーキャピタル WiL と Sony のジョイントベンチャー Qrio 社が製造・販売しています。基本的には 2 万円弱で販売されている「Qrio Smart Lock」を購入するだけで始めることができます。もちろんアプリは無料です。
Qrio Smart Lock の特徴は、取り付けが非常に簡単で、アプリが日本語化されているので使いやすい点でしょうか。取り付けはスマートロック本体とドアを強力な粘着力の 3M 両面テープで貼り付けるだけ。工具不要で誰でも取り付けられます。取り付けるとスマートロックがドア内側のサムターン(ドア内側のツマミ)を電動で回し施錠・解錠します。もちろん、リアルな鍵を使った施錠・解錠、スマートロック本体上のツマミを手で回すことでも施錠・解錠できます。
スマートロック選びにおける一番の悩みは互換性です。今回紹介する Qrio Smart Lock の場合、Qrio 社の公式サイトによると、本記事で紹介するスタンダードな「Q-SL1」モデルは「MIWA 社の LA、LSP、85RA、FESP、GOAL 社の LX、LG、MX など」のサムターンに対応しています。
これではよく分かりませんよね。実例を紹介すると次の写真のような玄関ドア(築15年の普通のアパート)では利用できます。
ただ、建物によってサムターン周りの形状が微妙に違う場合があるので、両面テープでスマートロック本体を貼り付けた時にサムターンに届かなかったり、サムターンのツマミの太さや大きさが合わなかったりすることもあります。そのため、Qrio Smart Lock にはパッケージにドア(両面テープ貼り付け面)とサムターン用のアタッチメントが数種類同梱しており微調整できます。
注意:
付属のアタッチメントを駆使すれば大半のドアには取り付けられると思いますが、ドアが特注品だったり特殊な形状の場合にはサムターン周りが全く合わないことがあります。また、両面テープの粘着力がいくら強力だとしても、ドア表面の素材によってはすぐに剥がれてしまう場合もあります。なので、Qrio Smart Lock を購入する場合には、まず取り付ける予定のドアがどういうタイプのものなのかを把握しておく必要があります。
Qrio Smart Lock は両面テープでドアに固定します。このことを聞いて、「(テープは)すぐに剥がれてしまうんじゃない?」と疑問に思う方は多いでしょう。心配いりません。両面テープの粘着力は予想以上に強力で、一度取り付けるとスマートロックの自重で剥がれることはまずありませんし、手で軽く引っ張っても簡単には剥がれません。この粘着力には私もびっくりしました。外す場合はスマートロックを両手でしっかりと持ち 10 ~ 20 回ほどグリグリねじりながら強く引っ張ります。この時、ドアにテープ痕が残ると心配されるところですが、私の部屋のドアの場合は綺麗に剥がれました(実験済み)。
スマートロックの設置が完了した後はアプリの設定を行います。アプリの設定は基本的に、アプリのインストール、ユーザーアカウントの作成、セキュリティキーの登録といったことだけ。後は必要に応じてオプション機能を設定します。
アプリを初めて起動すると、必要な作業や設定をステップ・バイ・ステップで進める画面が表示されるので、各画面の指示を見ながら進めるていきます。
セットアップ画面中、「オーナー登録」のステップがあります。ここでは同梱のセキュリティキーをスマートフォンに登録します。
セキュリティキーはパッケージ同梱の「オーナー登録カード」にプリントされており緑のシールを剥がすと現れます。それをアプリでスキャンするか、番号を打ち込むと登録できます。
最後は施錠・解錠時のサムターン位置を記憶させる作業です。Qrio Smart Lock はサムターンを電動で回す仕組みなので、施錠または解錠のボタンをタップしたときに動く回転角度を予め手動で動かして記憶させます。
アプリ設定後は実際にスマートフォンを使って施錠・解錠します。アプリのメイン画面の下部のボタンを使って手動での施錠・解錠を行います。
注意:
Qrio Smart Lock ではドアに接近しないと施錠・解錠できないようにするために Bluetooth 電波の出力を低くしています。おおよそドアから半径 10m 以内に入らないと電波を掴めず、施錠・解錠できないのでご注意ください。ドア正面が理想的です。
機能は普通に施錠・解錠することのほかにも、
・解錠後、指定した秒数経過すると自動的に施錠する「オートロック」
・外出先から自宅に戻って玄関前に立つとアプリを操作せずに解錠する「手ぶら解錠」
・他のスマートフォンユーザーに仮想的なスペアキーを渡してオーナー以外の人でも施錠・解錠できるようにする「キーのシェア」
といった機能もあります。
また、Qrio Hub を追加購入して設置するとインターネット経由で施錠・解錠したり、ロックの状態を確認することもできます。
アプリには履歴機能もあり、いつ誰がどのスマートロックを施錠または解錠したのかを確認できます。
感想
Qrio Smart Lock を取り付けたことでリアルな鍵を使う機会がめっきりと減りました。スマートフォンはいつもポケットに仕舞っているので鍵の置き忘れやカバンの中をゴソゴソと探すことがなくなり、この点はメリットだと言えます。ただ、何かのトラブルで締め出しされると嫌なので、結局のところはいつもリアルな鍵も持ち歩いています。
そんなことよりも、その場ですぐに時限スペアキーを作成してネット経由で渡せるのは素晴らしいことだと思います。スペアキーを敷地の何処かに隠しても見つかるリスクがあり、そもそも家族以外だと鍵の受け渡しのために会う必要があります。Qrio Smart Lock ならアプリで作成・共有できるので、非常に便利です。作成したスペアキーはいつでも無効化できるので、もしもの場合(別れた場合など)でも安心です。
個人的にはオートロック機能が役に立っています。私は普段から自宅に居る場合でも錠をかける習性なので、オートロックのおかげで錠を締め忘れることがなくなりました。ただ、スマートフォンを持って外に出る習慣を身に着けないと締め出されるのでオートロックの利用にはご注意ください。
Qrio Smart Lock の難点としては、アプリのボタンを押した後の反応が鈍い点です。私はいつも玄関前で数秒間待されるので直ぐにロックが反応するよう仕様を変更してもらいたいと思います。
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