Google Pixel 2のレビュー

投稿日時 11月 1st, 2017 by juggly 投稿カテゴリ » ピックアップ記事, ブログ
キーワード: ,
コメントは受け付けていません。

今年の 10 月に海外で発売された Google の新しいスマートフォン「Pixel 2」を入手したのでこの機種のレビューをお送りします。

Google は昨年の Pixel シリーズからスマートフォンだけではなく、多くのスマートデバイスを積極的に自社開発しており、それらのハードウェアにおいても独自性を出すようになりました。Pixel 2 は昨年の Pixel の後継モデルで、製造メーカーも Pixel と同じく台湾の HTC ですが、昨年の Pixel と比べて独自機能が増え魅力度も増しています。

Pixel 2 の詳細は製品発表記事でも紹介していますが、改めて紹介すると、現行最上級レベルのハードウェアスペックと優れたカメラ、自社開発の画像処理・AI チップ「Pixel Visual Core」、本体を握るだけで Google アシスタントが起動する「Active Edge」の導入、IP68 レベルの防水・防塵、新しい Pixel ランチャーを含むリニューアルしたファームウェアが代表的な特徴だと言えます。

残念ながら Pixel 2 も日本では発売されていませんが、その素晴らしいスペックや機能を持つ本機種を輸入しようとする方は多いことでしょう。今回は米国から輸入した Pixel 2(G011A)の 64GB モデル・Just Black を使って Pixel 2 をレビューしたいと思います。

Pixel 2 のパッケージは昨年の Pixel から変更となり、スマートフォンでは一般的な縦長のコンパクトな箱が使用されています。同梱品は USB Type-C 仕様の電源アダプタや USB ケーブルの他に、USB Type-A を USB -Type-C に変換するアダプタ(データ移行用)や USB Type-C を 3.5mm オーディオジャックに変換するアダプタ、SIM ピンもあります。

Pixel 2 の筐体デザイン

Pixel 2 では、アルミニウム素材とガラスパネルを組み合わせたシンプル且つクリーンな外観を継続して採用しています。Pixel と比較すると縦に少しだけ大きくなりましたが、横幅と厚みはほぼ変わらないので、持ちやすさが悪くなった印象はありません。逆に、本体が軽くなったのでポケットに入れても重量感を感じなくなりました。、

本体前面には上下に 2 つのスピーカーを備えており、ステレオサウンドを体験できるようになりました。これは動画視聴だけではなく、Daydream View で VR アプリを使用している時にもバランスの良い BGM や効果音を聴けるので VR 体験が向上することにつながると言えます。音の出方が縦持ちに最適化されているので、左右の音のバランスに少しだけ違和感を感じますが・・・。

Pixel 2 はいつも通りオンスクリーンボタンを採用しており、バイブレーションモーターの強化が Pixel から良くなり、タッチした時に物理的なボタンを押しているかのような触覚フィードバックを再現するようになりました。個人的にこれは操作性を良くする要素だと思います。

Pixel 2 は仮想的な SIM カード「eSIM」を採用していますが、通常の物理 SIM カード(Nano SIM)も利用できます。スロットは側面にあります。

Pixel には存在していたものの、Pixel 2 で無くなったのは 3.5mm オーディオジャックです。これだと普通の有線イヤホン・ヘッドホンはそのままでは使用できませんが、USB Type-C を 3.5mm オーディオジャックに変換するアダプタが同梱しているので、アダプタを介してそれらを使用することはできます。

Pixel 2 のディスプレイは 5 インチ 1,920 x 1,080 ピクセルの AMOLED です。有機 EL タイプのディスプレイなので、画像は色鮮やかで視野角も広い。一方、屋外での視認性が気になるところですが、目の悪い私でも普通に見えるほどの明るさを達成しているので、視認性に問題はないと思います。

Pixel 2 のパフォーマンス

Pixel 2 のプロセッサは Snapdragon 835 で、RAM は 4GB の LPDDR4x を搭載しています。 ROM も UFS 規格の高速タイプということもあって、システム UI やカメラの滑らかさ、アプリの起動・動作性能などは概ね良好でした。また、長期間使用すると発生しがちなスローダウン現象は約 2 週間使用している中では一度も発生していません。性能面は期待どおりでした。

Antutu のベンチマークは 17点台と現行のスマートフォンの中では最上級クラスです。

Pixel 2 の独自機能

冒頭でも紹介したように、Pixel 2 には様々な Google 独自機能が盛り込まれており、非常に魅力的な端末に仕上がりました。例えば、Active Edge を使うと、端末を握るだけで Google アシスタントが起動し、アラームの鳴動を停止することができます。設定メニューの「Active Edge」では握る時の感度を調節できるほか、スリープ中にも利用を許可する設定が可能です。ただ、現時点で握るジェスチャーのカスタマイズはできないので、好きなアプリを起動したり、端末の設定を変更するようなことはできません。今後の改良に期待されるところです。

Always On Display はスリープ中の画面に時刻や通知の有無を表示する「アンビエント画面」機能の拡張版です。従来は画面に触れた時や端末を持ち上げた時にしか実行されなかったのが、Pixel 2 ではスリープ中には常に表示されます。ただ、表示内容をカスタマイズできないようです。

Pixel 2 の顔とも言える Pixel ランチャーは、検索バーを下に表示するレイアウトに変更され、検索機能が利用しやすくなったほか、上部のお天気ウィジェットは「At a Glance」へと進化し、カレンダーの予定や交通情報を表示するなど機能的になりました。

Pixel 2 にはスリープ中に周辺で流れている音楽を聴き取り、クラウド上の音楽ライブラリと照合してアーティスト・アルバム情報をロック画面に表示する「この曲なに?」機能が搭載されていますが、日本では機能しないようでした。何も表示してくれません。

Pixel 2 に先行プレビュー提供中の Google Lens は Google フォト内で使用できます。

Pixel 2 のカメラ

カメラは Pixel 2 において最も進化した部分の一つなので詳しく見ていくことにしましょう。

ハードウェアの面では、リアカメラに 1,220 万画素のイメージセンサー(画素サイズ 1.4μm)のイメージセンサーが付き、レンズは F1.8 の明るいものに変わりました。また、OIS にも対応しており、静止画の手ブレを軽減してくれるようになりました。また、フロントカメラは 800 万画素のイメージセンサーと F2.4 レンズという構成です。

Pixel 2 ではソフトウェアの改良も進んでおり、写真・動画をより綺麗に撮影できるようになりました。また、Pixel 2 には Google が設計した画像処理・AI チップ「Pixel Visual Core」を搭載されており、これは Android 8.1 Oreo から使用することができます。まずは HDR+ 撮影の性能と画質を向上させるために使用されます。

カメラの画質や性能はカメラベンチマークの DxOMark Mobile でトップとなる 98 点を出すほどです。沢山の写真を撮影してみたところ、DxOMark の評価の通り写真・動画の画質はブレが少なく非常に鮮明で、オート撮影でも画像が暗くなったり明るすぎたりすることなく、適切な色合いを再現するようになりました。また、夜間などの低照度時のパフォーマンスも向上しており、ノイズは少ないながらも明るく綺麗に撮影できることには非常に驚きました。

カメラ機能で特出すべき「ポートレートモード」は、機械学習技術を応用することによって、一つのカメラだけで自然な被写界深度エフェクトを再現できるようになっています。これは、AI が複数のフレームを解析して被写体と背景を特定し、背景部分にだけボケ効果を適用するという仕組みです。このポートレートモードはリアカメラだけではなく、フロントカメラでも機能します。

「モーションフォト」は、被写体が動く場合に数秒間のムービーとして記録する機能です。映像は JPEG 形式のファイルとして保存され、静止画として保存するか、または動画として保存するかを撮影後に選択することができます。モーションフォトはデフォルト「自動」に設定されているので、撮影ごとに Pixel 2 が判断してモーションフォトでの撮影を行います。もちろん機能を無効にすることも可能です。

Pixel Visual Core が使えるようになると HDR+ の性能はさらに向上しますが、現状でも HDR+ の効果は絶大です。次の写真の場合、背景が明る過ぎると通常は顔の部分は黒つぶれしてしまうところ、HDR+ によってそれを軽減しています。

動画は 4K(30fps)サイズまで撮影でき、全ての動画サイズで EIS の手ブレ補正を適用できます。

Pixel 2 のバッテリーの持ち

Pixel 2 のバッテリー容量は 2,700mAh です。これは 5 インチ端末の中では平均よりも少し大きいほうだと言えます。また、ディスプレイが LCD よりも電力消費の少ない AMOLED なので、一般の 5 インチ端末よりも長く使用できると期待できます。

今回のバッテリーテストはいつもとは異なり、東京モーターショー 2017 のイベント会場で 300 枚以上の写真を撮影するなど、端末を頻繁に使用しました。そのような条件でも 100% から 11% に減るまで 9 時間 13 分間も使用できました。画面点灯時間が 2 時間 22 分とやや短いのですが、5 インチ端末の中ではかなり持ったのではないかと思います。

上記の他にも、Pixel 2 は Google のスマートフォンということで OS バージョンやソフトウェアアップデートへの対応は迅速に行われ、今年モデルから OS バージョンアップは 3 年間実施されることになりました。Android P や Android Q へのバージョンアップはほぼ確実。おそらく、Android R までアップデートされると思います。このようなサポート面の充実さが Pixel の魅力の一つとも言えます。