Android TV「NVIDIA SHIELD(2017年モデル)」のレビュー
ハードウェアスペックが高く 4K 再生やグラフィックを多用した 3D ゲームのプレイに最適な Android TV セットトップボックス「NVIDIA SHIELD」のレビューをお送りします。
SHIELD は 2015 年に登場し、2017 年始めにはモデルチェンジによってマイナーアップデートされましたが、基本設計は 2015 年モデルと大差ありません。しかし、4K HDR @ 60fps で動画を再生できることや、Dolby Atmos と DTS-X のサラウンサウンドに対応していること、ハイレゾ再生にも対応していることは、今でもかなりの魅力を感じさせてくれます。
今まで SHIELD TV は持っていませんでしたが、今年のブラックフライデーセールで $149 と安かったのでこの際購入してみました。今回購入したのは、SHIELD リモートのみ付属する最新パッケージです。SHIELD コントローラーは SHIELD Tablet を購入した時に一緒に購入したものを使っています。
SHIELD TV 本体は片手でも掴めるほどのコンパクトサイズで、テレビの脇に設置してもあまり目立ちませんが、本体には緑 LED あり、オブジェとしても使えそうです。
SHIELD リモートはスティックタイプの Android TV リモコンです。基本的なボタンのほか、下部にはタッチセンサー式のボリューム調節エリアが設けられており、音量調節が容易です。
SHIELD TV の特徴としては、Tegra X プロセッサによって他とは一線を画す高い性能を発揮する点と、複数企業とのパートナーシップによって利用できるサービス、メディアコンテンツ、ゲームが豊富な点です。また、クラウドゲームサービス「GeForce Now」や PC ゲームのストリーミング機能「GameStream PC」の対応も SHIELD TV ならではの特徴と言えますでしょうか。
現在でも 4K 動画や HDR 動画の種類が少ないので 未だに SHIELD TV のパワーを持て余す状況ではありますが、例えば YouTube の 4K 動画を AQUOS 4K で視聴すると、あまりの鮮明さにゾッとするような迫力です。大画面で 4K 動画を視聴するのが一般的になる次世代まで使える気もします。
ファームウェアは一般の Android TV と同じで、ほぼ標準仕様です。そのため、システムの基本的な機能や操作性は Nexus Player を始めとする STV 製品と大差ありません。
しかし、SHIELD TV には解像度、パフォーマンス、オーディオ、HDMI 出力に関する特別の設定オプションが追加されており、マルチメディア関連の設定を柔軟に変更することができます。
「Amazon プライムビデオ」のアプリが特別にインストールされている点も見逃せません。Amazon プライムビデオをよく利用している人なら気に入ること間違い無し。もちろん日本向けの Amazon プライムビデオにも対応しており、再生だけではなく、購入やレンタルも可能です。
SHIELD TV の魅力をお伝えする上で欠かせないのがゲームです。SHIELD TV では、Google Play ストアのゲームアプリだけではなく、NVIDIA 提供のクラウドゲームサービス「GeForce Now」(月額 950 円、加入月は無料)、様々なクラウドゲームで遊べるほか、GeForce グラボを搭載した Windows PC 上のゲームを SHIELD TV へローカルネットワークを介してストリーミングする「GameStream PC」でもゲームをプレイできます。
Tegra X プロセッサのパワーも手伝って、3D を多用したゲームでもガクつくことなくスムーズにプレイできることは言うまでもなく、ゲームを長時間プレイしていてもシステムがスローダウンしてしまいプレイしづらくなることも起きませんでした。性能面はまさにコンソールゲーム並みと言えるでしょう。
GeForce Now は日本でもサブスクリプションに加入してプレイすることができます。しかし、配信中のタイトルの多くは海外向けのため、英語表記でプレイしづらいこともありますが、遊べるタイトルは予想以上に多く、幅広いジャンルをカバーしていることから実用性は十分だと言えます。
GeForce Now は私も加入しており、F1 や MotoGP のレースゲームを楽しんでいます。無料で遊べるゲームもいくつかは配信されていますが、ほとんどはサブスクリプションに加入しないと遊べません。また、一部のゲームはサブスクリプション + 有料で販売されています。
GeForce Now はクラウドゲームサービスなので、アプリがストレージを消費することなく豊富なゲームで遊べますが、画質や安定性はネットワーク品質に左右されるので、事前のチェックで「低」と判定されると、MotoGP のようなリアルタイム性が要求されるゲームでは映像が途切れることがよくあります。
SHIELD TV はグラフィック系ベンチマークアプリにおいて発売から 2 年以上が経過してもなおトップに君臨するほどの良い性能を発揮しています。その期待通り、大半のゲームはとてもスムーズに動作していました。ただ、基本設計が若干古いこともあり RAM 容量が 3GB と少なめで、開いたアプリだけを表示する Android TV の特性上、現時点でメモリの少なさは何の問題も起こしていませんが、将来的にメモリ不足に陥ることは否めません。
SHIELD TV は拡張性の高さでも評価されています。背面には USB-A ポートを 2 つ備えており、複数の USB デバイスを同時に接続できます。 どちらも USB 3.0 準拠なので、外付け HDD を接続しても転送速度は USB 2.0 に比べるとはるかに高速です。
マルチメディア機能の中でもサウンドは SHIELD TV の優れている点の一つだと言えます。HDMI と USB 経由での Dolby Atmos や DTS-X の 5.1ch サラウンド出力や、USB 経由での 192KHz / 24bit ハイレゾ出力が可能で、接続したテレビやスピーカーがこれらの高品質オーディオに対応している場合にはその恩恵を受けることができます。そうじゃない場合でも
総合的に見て、SHIELD TV は発売から 2 年以上が経過してもなお最先端をいく Android TV 製品です。というよりも市場がようやく SHIELD TV のパワーを活かせる状況になってきたとも言えます。特に 4K や HDR はスマートフォンも対応するようになり、ようやくこれから本格化する分野です。
海外では既に Android 8.0 Oreo へのアップデートも完了しているので、少なくとも今後 1 年間は最先端のマシンとして活躍してくれると期待できますが、基本設計の古さから徐々にトップの地位を他に奪われていくことでしょう。
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