Google、低電力UIのKoruLabを買収してWear OSのさらなる低電力化に注力
Wear OS を搭載したスマートウォッチは機能豊富で高性能である一方、バッテリー持ちが悪く、一日充電を忘れるとその日のどこかでバッテリー切れとなり使用できない状況に陥ることもしばしば。電池持ちの悪さはもはや Wear OS スマートウォッチの常識だと考えられている中、Google はフィンランドのソフトウェア開発企業 KoruLab を買収し、ソフトウェアからのアプローチでこの課題を克服しようと開発に取り組んでいます。
KoruLab は、ウェアラブルデバイス、IoT 機器、自動車向けインタフェース設計などを手掛けていたフィンランド企業で、少ないリソースと低い消費電力でもスムーズに動作するユーザーインタフェースを開発してきた技術力を強みとしており、その技術やノウハウが今後の Wear OS のさらなる低電力化に大きく貢献すると見られています。
同社の超省エネ UI「Koru」の電力効率は常識を超えるもので、デモのために作成されたアナログ腕時計風のスマートウォッチ「Koru Crazy Watch」では、システムの電源投入、画面更新、スリープ移行といった針の移動に掛かる一連の処理がわずか 20 ミリ秒で完了し、全体の 98% をスリープ状態にすることで、1 週間の電池持ちを実現させています。また、その処理にはたった 128KB の RAM しか必要としないとされています。
現在市販されているスマートウォッチは物理的なサイズの制限もあって、駆動時間を優先してバッテリーを多く積めばサイズが大きくなり、デザイン性が損なわれます。かといってデザイン性を優先してバッテリー容量を最小限にすれば電池もちが悪くなり、実用性が損なわれます。現状は、デザイン性と実用性のバランスを取った設計が主流でしょう。バッテリー技術も日々進歩していますが、ソフトウェアに関しても KoruLab の技術を応用するなどして発展していくと、将来的には今よりも長持ちでクォーツ腕時計に迫るスリムさを実現した Wear OS スマートウォッチも登場してくるのではないでしょうか。
KoruLab は今年 7 月に Google によって買収され、当時いた 30 名の技術者たちは Google に合流し、Wear OS の開発にあたっているそうです。
Source : Mobiiti.fi、 9to5Goolge
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