Samsung、スマホ望遠カメラの未来を切り開く新技術「ISOCELL Zoom Anyplace」を発表
Samsung がスマホ望遠カメラの未来を切り開く新技術「ISOCELL Zoom Anyplace(ISOCELL どこでもズーム)」を発表しました。この技術は既存の 200MP センサーに適用可能で、おそらく次の Galaxy S24 シリーズに導入されると予想されます。
ISOCELL Zoom Anyplace は 200MP センサー(HP2 や HP3)用の動画撮影機能。大きく分けて、AI ベースのフォーカス追従、ズーム映像と全画面映像のデュアル録画、ロスレス 2 倍・4 倍ズーム機能が含まれており、200MP センサーを使用して映像中の選択した被写体にピントを合わせたまま光学ズームでき、その状態の 4K 動画を撮影できます。
また、“Anyplace” の単語が示すように被写体が映像の端に映っている場合でもカメラを動かすことなくズームインして被写体を中央に捉えることも可能で、ユーザーはただカメラを被写体に向けるだけで被写体を中心に捉えつつ手ブレ補正を効かせた 4K 動画を撮影することもできます。
ISOCELL Zoom Anyplace はスマホが直面している望遠カメラの課題を解決するために考案された一つの答えとなります。今の望遠カメラというのはメインカメラよりもセンサーサイズが小さく、スマホ本体の物理的な制約もありレンズの焦点距離を伸ばせません。それでもスマホで遠くの被写体を撮影しようとすればデジタルズームに頼ることになります。しかし、デジタルズームはピクセルを引き伸ばす処理なので、画質は劣化し映像としては全く使い物になりません。
この課題を 200MP センサーと ISOCELL Zoom Anyplace を組み合わせることで解決し、スマホの望遠カメラの能力を引き上げようというのが Samsung の狙いです。
現在、Samsung の 200MP センサーはスマホのメインカメラにだけ使用されていますが、Samsung の発表によれば、今後、200MP センサーは望遠カメラにも使用される可能性があります。
というのも、Samsung 技術ブログでは ISOCELL Zoom Anyplace の実装例として 200MP センサーをメインカメラに使用した場合と望遠カメラに使用した場合の効果や利点を紹介しているからです。
具体的には、ISOCELL Zoom Anyplace を適用した 200MP センサーをメインカメラに用いた場合、メインカメラ自体が光学 4 倍カメラの役割も担うので低コストで望遠カメラを追加できます。一方、200MP センサーを望遠カメラに用いた場合、長年の課題だったメインカメラと望遠カメラの画質ギャップを埋めながら望遠カメラの焦点距離も延長できます。
そこでふと頭に浮かぶのが Galaxy S24 Ultra のカメラ構成です。仮に 200MP センサーをメインカメラと望遠カメラに使用したとすると、カメラ全体で光学 16 倍以上の焦点距離をカバーできることになります(望遠カメラのレンズ焦点距離を 4 倍以上とした場合の計算)。
つまり、メインカメラのレンズ焦点距離が換算 24mm と仮定すると、望遠カメラは換算 380mm まで光学ズームしながら 4K 動画を撮影できることになります。約 400mm の焦点距離というのは一般的なレンズ交換式カメラでも長くて大きいレンズを使用しなければ到達できない画角です。野球場での撮影を考えると、内野席前方列なら十分マウンド上のピッチャーをスマホ画面一杯に捉えて撮影できると思います。スマホ一台でレンズ交換式カメラの役割を担えると思います。
Samsung はまた、E2E AI リモザイクソリューションを同時に発表しています。これは、200MP センサーで写真を撮影する際にリモザイク処理と ISP による画像処理を同時に行う機能で、これにより、高画素写真の撮影時間が短縮化され、画像処理中に生じる信号の欠落を抑制でき写真画質が向上します。
Source : Samsung
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