HTCの2014年フラッグシップスマートフォン「HTC One(M8)」開封の儀&ファーストインプレッション
HTCの2014年フラッグシップスマートフォン「HTC One(M8)」を入手したので早速開封の儀を執り行います。(業務連絡:ガジェット通信様、本記事の利用はご遠慮ください)
M8はちょうど1年前に発売された2013年のフラッグシップモデル「HTC One(M7)」の後継機種で、3月25日より海外で販売されています。特徴は全体の90%を金属素材で仕上げた継ぎ目の無いギャップレス構造の筐体、フロントステレオスピーカー、深度データの取得も可能になったツインセンサー式のリアカメラ、強化されたハードウェアスペック、刷新されたユーザーインタフェースです。
今回入手したM8は台湾で発売された「HTC M8x」という欧米で販売されているものとは違うモデルです。欧米モデルはSnapdragon 801 2.3GHzクアッドコアを搭載していますが、台湾モデルはSnapdragon 801 2.5GHzクアッドコアを搭載しています。また、LTEではBand 1(2100MHz)にも対応しているので、日本向けとも言えます。内容的には欧米モデルのスペック強化版ですね。本体カラーは「ガンメタルグレー」です。内蔵ストレージの容量は16GB。
製品箱はM7用に似た感じで、本体・付属品がコンパクトに収納されています。
同梱品は、M8本体(バッテリー内蔵型です)、HTCブランドのインイヤーヘッドセット、Micro USBケーブル、HTCブランドのUSB電源アダプタ、取説・保証書、SIMカードスロットとMicro SDカードスロットのイジェクトピン、そして、クリアタイプのスマートフォンケース!ケースはM7には付属していませんでしたが、これは台湾仕様?
HTC One(M8)の外観について
M8の筐体は基本的にはM7を継承していますが、各所に変化が見られます。本体の四隅がM7よりも丸くなり、背面のラウンドフォルムデザインが側面にまで達したことで側面もやや丸くなりました。その結果、端末を持った時のフィット感がM7よりも良くなったと感じています。
背面のデザインはXperia PにインスパイアされたM7のデザインを継承していますが、表面は磨き上げられています。この輝きを目にすると、何となく冷たくて手触りも悪くなったのでは?と思うかもしれませんが、端末の手触りは、表面が薄い樹脂膜のようなもので覆われた滑らかな感触で、若干グリップ感があります。見た目とは違うということです。
M8の筐体サイズは、縦146.4 x 横70.6 x 厚さ9.4mm、質量160g。M7の筐体サイズは縦137.4 × 横68.2 × 厚さ9.3mm、質量143g。M7に比べて筐体は大きなり重たくなりましたが、フィット感の向上によって片手での操作性はM7よりも上だと思います。私と同じようにサイズ差を見て落胆した方もいらっしゃると思いますが、意外にも片手操作性が良いのでまだ諦めないでください。しかし、縦横のサイズが大きくなったため、M7よりもホールド性は悪くなっています。というのも、私の手のサイズでは指全体でガッチリと端末を掴むことができず、操作中に手からこぼれ落ちそうな時がしばしばあったからです。160gもあるメタルボディの物体がコンクリートに落ちることを考えると冷や汗が出ます。メイン機として使用する場合はカバーを付けるようにした方が良いかもしれません。
M8はフロント上下にBoomSoundフロントステレオスピーカーと呼ばれるステレオスピーカーを搭載しています。スピーカー自体が変更されたようで、M7よりも音量が20~25%ほど向上したと言われています。また、スピーカー間の幅も広がったこともあり、音がよりステレオっぽい感じで聴こえてくるようになりました。つまり、M7との差を感じるほどスピーカーからの音が良くなったのです。
ディスプレイはM7の4.7インチ1,920×1,080ピクセルから5.0インチ1,920×1,080ピクセルに拡大し、操作ボタンは画面内に仮想的に表示するオンスクリーン式に変更されました。やっぱりオンスクリーンボタンは操作しやすいですね。変更して正解だと思いました。
その下のHTCロゴ周りのパーツは残ったままになっており、オンスクリーンボタンを採用したからといって小型されたわけではありません。と、がっかりするばかりではありません。実はオンスクリーンボタンの位置が操作するのにちょうど良い場所に位置しているのです。もし、HTCロゴ周りのパーツが無かったから、おそらく指を動かす幅が大きくなって操作しづらいものになっていたはず。見た目はバランスが取れていないように見えますが、操作性を重視する私は削除しなくて正解だと思いました。
右側面にはボリュームボタンとMicro SDカードスロットがあります。
左側面にはSIMカードスロットがあります。SIMカードは側面からトレイに乗せて挿入します。利用できるSIMカードはiPhone 5以降で採用されているNano SIMです。
下部には3.5mmオーディオジャックとMicro USB端子があります。
上部には電源ボタンがあります。電源ボタンには赤外線リモコン用のLEDが仕込まれています。
HTC One(M8)のソフトウェアについて
M8のOSは最新のAndroid 4.4.2(KitKat)で、HTCスマートフォンでお馴染みのHTC製カスタムUIは今年でバージョン6(Sense 6、Sixth Sense)になりました。Sense 6はM7のSense 5.5をベースに、BlinkFeedの高機能化・ビジュアルの刷新、システムアプリのUIスタイル統一、テーマ機能によるUIカラーのカスタマイズ対応、カメラアプリの刷新、Motion Launchジェスチャー機能の追加、最大省電力モードの追加といった数多くの変更が施されています。
特に、HTC BlinkFeed、HTCギャラリー、HTC Zoe、HTC Sense TV、HTCサービスパックなどのSenseに関する基本アプリがGoogle Playストア経由でアップデートされるようになり、システムアップデートよりも迅速に改修や機能追加が行われていくと期待されます。既にHTC BlinkFeedとHTCギャラリーは発売後に1度アップデートされていますし。
Sense 6の代表的な機能とも言える「HTC BlinkFeed」は、Sense 5.5ではシート単位でスクロールしていたのが大抵のアプリと同様にリニアにスクロールし、操作がより直感的なものになりました。また、FoursquareやFitbitなどのサードパーティアプリもBlinkFeedに対応させることが可能になって拡張性も改善されました。他にも、ソースの拡充やハイライトフィードの非表示化、カテゴリでのグループ化など、様々な変更が施されています。
「ウィジェットパネル」と呼ばれるホーム画面。
通知パネルの各種スイッチ。
マルチタスクパネルは一括消去に対応しました。
アプリドロワーはアプリアイコンの非表示化に対応しました。
ウィジェット追加画面。
設定メニューはテキストとアイコンのデザインがモノトーン調に変わりました。
Bluetoothリモコン&子機「HTC Mini+」にも対応しています。
M8台湾モデルはLTEにも対応しています。もちろん、NTTドコモのXiにも繋がりました。
Sense 6で個人的に気に入ったのは標準アプリとHTCアプリのUIスタイルが統一されたことです。全体的にフラットな感じ。統一されたアクションバーとステータスバーのカラーリングで、システムとの一体感が出ました。
また、テーマを切り替えることでBlinkFeedの背景とシステムアプリのUIカラーが変化するのもいいですね。マンネリ化の防止につながります。
音楽アプリ。
M7の「Beats Audio」はM8で廃止され、代わりに?「BoomSound」というオプションが追加されました。内蔵スピーカーでは常にON(OFFにできません)、ヘッドホンを装着するとON/OFFを切り替えられるようになります。
HTCギャラリー。
HTC Sense TV(まだ日本のTVガイドには対応していませんでした)。
今夏にクラウド化が予定されている「HTC Zoe」。
標準ブラウザ。
時計アプリ。
電話アプリ。
HTC One(M8)のカメラについて
HTC Oneシリーズの大きな特徴でもある背面の”UltraPixel”カメラは、HTC One(M8)で2つのCMOSイメージセンサーを採用したツインセンサー式に変更されました。LEDフラッシュも2つになって光量アップ。懐中電灯機能でも明るさが増しました。
LEDフラッシュ付近のレンズはメインカメラです。実際の画像を撮影します。センサーサイズは1/3.06型(単位画素2.0μm)で、レンズは28mm F2.0、HTC ImageChip 2も搭載。上部のレンズはサブカメラです。約210万画素のCMOSが内蔵されており、被写体の深度データを計測します。ツインセンサー式を採用したことで、ピントを撮影後にあて直したり、特定の場所にエフェクトを適用したり、画像の3D化を行なうことが可能になりました。(詳細はこちらの記事で紹介しています)
前面のカメラは500万画素に高解像度化し、より鮮明な写真を撮影することが可能になりました。
カメラアプリも刷新されています。特徴としては、各オプションが1列のバーで表示されて分かりやすくなったことと、モードセレクト画面が追加されたことです。M8で追加された新機能は、前後のカメラの映像を1枚の写真、1本の動画に収めることができる「デュアルキャプチャー」と360度パノラマ写真を撮影できる「Pano 360」です。Pano 360では継ぎ目でズレたりすることがあまりなく、完成度の高いパノラマ写真を撮影できます。4K動画撮影機能は未実装です。
M8の新機能となる「Motion Launchジェスチャー」は、スリープ状態から画面のダブルタップやスワイプ操作でロックを解除したり、機能をダイレクトに呼び出せる利便性を改善する機能です。動作内容はこちらの記事で紹介しています。
HTC One(M8)のパフォーマンスについて
M7からの一番の強化点といえば、プロセッサの性能が大幅に向上したところです。M7のプロセッサはSnapdragon 600 APQ8064T 1.7GHzクアッドコアでしたが、M8はQualcommの現行最上位モデルとなるSnapdragon 801 MSM8974AC 2.5GHzクアッドコアを搭載しています。メモリ容量は2GBと据え置きではありますが、LPDDR3を採用しており、メモリ転送速度が向上しています。
M7はまだまだ現役マシンで、今でも性能は満足できるレベルだと思いますが、一部のアプリの操作で動きがもたつく場合があります。M8ではアプリの操作時に”もたつく”ような現象がほとんどみられず、M7と比べると性能が大幅に向上したと思います。ベンチマークスコアでもそれを物語っています。
M8には「High Performance Mode」というCPUブースト機能が実装されています。これをONにすると最大パフォーマンスが出るそうなのですが、その分、バッテリーの消費量も増えます。ONとOFFで体感的な差を感じられないことから、通常はOFFのままで良いでしょう(用途は3Dゲームなどの負荷の高いアプリを利用する際)。
HTC One(M8)のバッテリーについて
M8のバッテリー容量は2,600mAhです。M7から300mh増加しました。5インチスマートフォンでは平均的な容量ですね。HTCはバッテリー容量の変更だけではなく、省電力化にも取り組みました。私はM7の弱点の一つはバッテリーの持ちの悪さだと思っていますが、M8を数日間使用した結果、許容できる範囲にまで改善されたと思っています。ガシガシ動作させたわけではありませんが、フル充電から残り45%に減るまで約10時間40分も使えました。
M8には新しい節電機能となる「最大省電力モード」が実装されてます。これは端末の機能を通話、メール、SMS、カレンダー、電卓のみに絞り、さらに、画面の輝度を下げ、バックグラウンド通信や各種端末の機能(バイブレーションなど)を無効化することで、電力消費を最大限に抑えようというモードです。
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