HTCの2015年フラッグシップ「HTC One M9」開封の儀&ファーストインプレッション
3 月中旬に台湾を皮切りに現在世界各国で順次発売中の HTC の新フラッグシップスマートフォン「HTC One M9」を入手したので早速開封の儀を執り行います。
HTC One M9 は国内未発売の「HTC One(M8)」の後継機種で、HTC One(M8)のフルメタルボディをほぼそのまま継承しつつ、内部スペックやソフトウェアを強化した iPhone 5 → iPhone 5s と同じような進化を遂げています。なので、外装周りに前作からの大きな違いはありませんが、同じ画面サイズを採用しながらも、全体的にコンパクト化・軽量化されており、さらに持ちやすくなりました。
今回入手したのは台湾モデルとなる「HTC M9u」です。技適マークは印字されていませんが、電波を掴む / 掴まないの話だと、3G / LTE は国内キャリアの周波数帯を幅広くサポートしています。これ以上はノーコメント。
それでは早速開封していきましょう。まずはパッケージングから(上図)。製品箱の形状や内部レイアウトは HTC One(M8)と大差ありませんが、表面のデザインが文字だけのシンプルな内容に刷新されました。
同梱品は、HTC One M9 本体、Micro USB ケーブル、電源アダプタ、SIM カードイジェクトピン、取扱説明書やクイックスタートガイドなどの書類のみ。
右は昨年モデル「HTC One(M8)」で、右が HTC One M9 です。前面のデザインは前作とほぼ同じなのですが、横幅が 70mm を切っているので、ややスリムになっていることを確認できると思います。
しかし、サイド部分をよーく見ると、ディスプレイがバックカバーから若干浮いているかのような構造に変わっています。これは HTC One M9 の仕様です。決して浮いているわけではありません
リアカメラは 2,070 万画素のシングルレンズに変わった(戻った)ので、この部分が大きな違いだと言えます。
バックカバーの表面をよーく見ると、HTC One M9 に細かなヘアライン加工を施していることを確認できます。この表面処理によって、わずかなザラザラ感を感じるようになりました。メタルボディでザラザラ感は嫌な予感がすると思うのですが、実際に触ってみると、指紋の付着が軽減されたようで、HTC One(M8)よりもきれいな状態を持続できます。また、「HTC」ロゴも単なるプリントに変わり、表面の凹凸が無くなりました。
私の思う HTC One(M8)の大きな特徴は超絶ラウンドフォルムによる優れたフィット感。それは HTC One M9 でも健在でした。期待通りの持ちやすさで安心しました。しかし、側面を見るとバックカバーとフロントパネルに段差が設けられており、全体の丸みは HTC One(M8)よりも少なくなったと思います(HTC One min 2 をお持ちの方なら想像できると思いますが、持った感触は HTC One mini 2 に近づいた印象です)。
HTC One M9 では電源ボタンが側面に移動し、本体のちょうど中間付近に備えられています。右側面にはボリュームボタンもあるので、押し間違いを心配する方も出てくると思いますが、電源ボタンとボリュームボタンの表面仕上げが違うので、触っただけで判別できます。ちなみに、HTC One(M8)のボリュームボタンは “遊び” が多くて柔らかい感触でしたが、HTC One M9 のボリュームボタンは硬くグラつきません。
上部には IRブラスタがあります。アプリが Sense TV から Peel Smtart に変わっています。
ディスプレイは HTC One(M8)と同じ、5.0 インチ 1,920 × 1,080 ピクセルの Super LCD3。色合いや輝度にさほど違いは感じませんでした。
HTC One M9 で期待されることの一つは性能のアップ。HTC One M9 は Snapdragon 810 MSM8994 2.0GHz オクタコアプロセッサや 3GB RAM(LPDDR4)を搭載しています。数値的な性能はベンチマークスコアで大体判断できると思いますが、体感的なところを HTC One(M8)と比較すると、アプリの実行性能や UI の切り替わりがよりスムーズになったことは言うまでもなく、Android 5.0 版 HTC One(M8)で発生している全体的なラグはほとんどありません。また、タッチしてから振動モーターが鳴動するタッチバイブレーションのラグがほぼ無く、指の動きに対してリニアに反応するようになっています全体的にサクサク感がアップした印象です。
次に注目されるのは前後のカメラでしょうか。リアのメインカメラは 2,070 万画素に変更されました。Duo Camera ではなくなりましたが、Sense 7 の機能改善などによって写真や動画はより綺麗に撮影できるようになっているそうです。また、4K 動画の撮影にも対応しました。
注目されるところですが、前面カメラが約 400 万画素の UltraPixel に刷新されました(レンズは F/2.0)。これは HTC One(M8)のリアカメラに使用されていた画素サイズを一般的なイメージセンサーよい大きくした CMOS で、UltraPixel 非搭載機種よりも 300% も明るく撮影できるようになりました。暗所でより綺麗な自分撮りが可能というわけです。
カメラ UI はさほど変わっていませんでしたが、フォーカス音とシャッター音が変わり、撮影モードをダウンロードできるようになっていました。
音楽機能における注目ポイントは Dolby Audio に対応した BoomSound スピーカーです。Dolby Audio に対応したことで、内蔵スピーカーだけでバーチャルサラウンドを体験できるようになりました。これは、特に映画の視聴体験が劇的に向上すると思います。実際の音質はサラウンドサウンドを実感するレベルなので、期待していいかも。HTC One M9 の Dolby Audio 機能は設定メニューの「Dolby Audio 搭載 BoomSound」に組み込まれており、内蔵スピーカーでは「ミュージックモード」とサラウンドを有効にする「シアターモード」のどちらかを選択します(OFF は不可)。イヤホンの場合は Dolby Audio を OFF にすることもできます。
HTC One M9 で HTC 独自 UI の「Sense」が「Sense 7」にバージョンされました。Sense 6 との大きな違いとしては、ホーム画面が「Sense Home」に刷新されたこと、システムアプリがさらに Material Design 化を進めた内容に変わったところ、ギャラリーアプリと編集機能が刷新されたところ、テーマ機能が大幅にバージョンアップし、テーマパックを自作できるようになったところでしょう。
Sense Home は従来の BlinkFeed の名前を変えた程度のものなのですが、後述する新しいテーマ機能に対応したほか、HOME ウィジェットの追加で場所によって利用するアプリが自動的に切り替わるようになりました(手動での変更も可能)。
BlinkFeed。新たに Yelp のおすすめ店舗などが表示されるようになり、タイルからコンテンツを削除することも可能になりました。
アプリドロワー。
通知パネル & QuickSettings パネル。
HTC One M9 では、ナビゲーションバーのボタンの配置を入れ替えたり、スクリーンショット撮影や自動回転トグルの追加ボタンを表示すること、ナビゲーションバーの非表示化も可能になりました。
ソフトウェア周りの最大の進化といえば、テーマ機能の大幅バージョンアップです。従来は既定のテーマパックからしか外観を変更できませんでしたが、HTC One M9 の Sense 7 ではテーマを自作して一般公開したり、誰かが公開したテーマパックを利用することができます。テーマパックが充実しただけではなく、テーマを維持したままアクセントカラーだけを個別に変更することも可能になりました。
アクセントカラーだけではなく、ダイヤラー、キーボードのカラーリングを個別に変更可能です。
アクセントカラーは多数の組み合わせから選択できます。
「テーマ」アプリのトップ画面。
オリジナルテーマは壁紙を選択してから作成します。壁紙が決まると、画像に合ったアクセントカラーが自動的に選択される仕組みです。
テーマだけではなく、アイコンやフォント、サウンドなども個別にダウンロードして適用できます。
テーマはネット上で公開されており、大抵のものは無料で利用できます。
HTC 提供の「Tilt」を利用するとこんな感じになります。
HTC One M9 のバッテリーの持ちについて。バッテリーの容量は 2,840mAh に増えています(前作は 2,600mAh)。テストでは、11 時台にフル充電を済ませてそれから 16% に下がるまで外出するなど、普通に使っていました。その結果、同日の午後 8 時に 16% になったので、8 ~ 9 時間ほど使えたことになります。画面の表示だと残り 16% で 2 時間弱利用できることから、実際には 10 時間前後は充電無しでも利用できると思います。
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