Huawei、Android 8.0 + EMUI 8.0の「Mate 10」「Mate 10 Pro」を発表、日本でも発売

投稿日時 10月 17th, 2017 by juggly 投稿カテゴリ » Androidニュース
キーワード: , ,
コメントは受け付けていません。

Huawei は 10 月 16 日、ドイツ・ミュンヘンで新型スマートフォンの発表イベントを開催し、人工知能(AI)機能が充実した新型スマートフォン「Mate 10」シリーズを発表しました。

Huawei の Mate シリーズは “大画面かつハイスペック” が特徴の製品ラインで、2013 年に第一弾「Ascend Mate」が登場されてからほぼ毎年のようにモデルチェンジを繰り返し進化しています。当時の Mate は単なる大画面モデルでしたが、今では Huawei を代表するフラッグシップに位置づけられており、当時の開発陣は誇らしく思うことでしょう。

今年登場した「Mate 10」は、スタンダードの Mate 10、スペックの高い Mate 10 Pro、そして Porsche Design が端末デザインを監修した Mate 10 Porsche Design Edition の 3 種類で構成されています。発売は 11 月からで、日本が一次発売国に入っているのは Mate 10 Pro だけです。Mate 10 は発売されない模様です。

価格は、Mate 10(4GB RAM + 64GB ROM)が €699、Mate 10 Pro(6GB RAM + 128GB ROM)が €799、そして、Porsche Design Edition(6GB RAM + 256GB ROM)が €1,395 です。

Mate 10 の特徴を挙げるなら、FullView HDR ディスプレイを活用したコンパクト設計のボディ、AI 処理用ユニットを持つ新プロセッサ「Kirin 970」の初採用、AI によって機能が強化されたダブルレンズカメラ、大容量バッテリー、Android 8.0 + EMUI 8.0 の新ファームウェアです。

Huawei は Mate 10 を発表する前から Kirin 970 の凄さを PR していたので、イベントではまず Kirin 970 の説明から入るのだろうと思いきや、最初に触れたのはデザインです。

Huawei は “大画面ながらもコンパクト” を目指して Mate 10 の狭額縁デザインをさらに改良しています。その結果、前作 Mate 9 とは、画面サイズは一緒でも縦幅は 150,5mm(-6.4mm)、横幅は 77.8mm(-1.1mm)と小さくなりました。解像度は 2,560 x1,400 ピクセル(WQHD)に向上していますが、画面比 16:9 を維持しています。

一方、Mate 10 Pro は画面比 18:9 となる 6 インチ 2,160 x 1,080 ピクセルのディスプレイを搭載しており、縦長のディスプレイも相まって縦幅は 154.2mm、横幅は 74.5mm とさらにスリムです。

両機種とも 4,000mAh という大容量のバッテリーを搭載しながらも、本体の厚みは Mate 10 が 8.2mm、Mate 10 Pro が 7.9mm と普通です。それよりもバッテリーの増加量が半端ないですね。

Mate 10 の筐体デザインはどちらも共通しており、先に説明した狭額縁デザイン以外には、「シンメトリーデザイン」や、リアカメラ周囲の「シグネチャーストライプ」も特徴となっています。

ディスプレイには RGBW の画素配列を採用した高輝度液晶パネルを搭載しており、HDR10 規格の HDR 動画を再生することも可能になりました。ホワイトマジック液晶の一種なので、輝度は最高 730nits とも言われています。

Mate 10 のカラバリは、ブラック、モカブラウン、シャンパンゴールド、ピンクゴールドの 4 色で、Mate 10 Pro はチタングレー、ミッドナイトブルー、モカブラウン、ピンクゴールドの 4 色です。ちなみに、Mate 10 は IP53 の防滴・防塵、Mate 10 Pro は IP67 の防水・防塵に対応しています。

次は AI 処理ユニットを持つ「Kirin 970」です。Kirin 970 とは、Huawei が最近発表したプレミアムモデル向けの SoC で、人工知能(AI)の処理を担当するコプロセッサ「NPU」が新たに追加され、AI 機能を利用した様々なタスクを CPU よりも高速かつ低消費電力で実行することができます。

Kirin 970 は 10nm の微細な製造プロセスを採用しているため、従来の Krin 960 よりも CPU の処理性能や電力効率が向上しています。

Kirin 970 の CPU は Cortex-A73 x4 + Cortex-A53 x4 のオクタコア構成で、GPU には ARM Mali-G72MP12 を採用しています。さらに、デュアルの DSP、32bit / 384Khz のハイレゾ再生、最大 1.2Gpbps の LTE ダウンリンクを実現する LTE Cat 18 にも対応しています。

この Kirin 970 を搭載する Mate 10 はデュアル LTE・デュアル VoLTE が可能です。現時点でこれが行えるのは Mate 10 だけだと言われています。

Kirin 970 が凄いことは分かりました。ただ Mat 10 に AI アシスタント機能は追加されていないのに、果たして AI 処理ユニット「NPU」が何の役に立つのでしょうか?

Mate 10 は Huawei P9 から導入された機械学習によるパフォーマンス最適化機能を搭載しており、Mate 10 の Kirin 970 はこの最適化処理を担うようになりました。これにより、パフォーマンスとレスポンスの劣化が Mate 9 よりも少ないと言われています。

また、後述しますが、Mate 10 には AI を活用したカメラ機能が追加されており、カメラを使用する際に Kirin 970 の NPU が役立ちます。

他にも、Kirin 970 の AI 処理ユニットにはオープン API を介してアクセスすることが可能になるので、AI 機能を持つアプリの処理性能を高めることも可能になっています。

このように、Mate 10 に搭載された Kirin 970 の AI 処理ユニットは様々な部分で CPU の処理をオフロードするなどして高性能かつ低電力でその処理を行うことを可能にします。

背面の「シグネチャーストライプ」に組み込まれたリアカメラは、1,200 万画素のカラー CMOS + 2,000 万画素のモノクロ CMOS を組み合わせたダブルレンズカメラです。

Mate 10 では両方のカメラに F1.6 の明るいレンズが付き、改良されたデュアルの ISP によって、カメラ全体のレスポンス、フォーカス速度、動き検出精度、低照度撮影時のノイズリダクション性能が向上しました。、

また、Kirin 970 の AI 処理ユニットを活用した AI エンジンによって、カメラに映る被写体を認識してその物体に最適なカメラ設定に変更し撮影することによって、様々なシチュエーションでより明るく、そして綺麗に撮影できるようになります。また、被写体をズームした際にも AI エンジンが画質補正を行い、画質の劣化を防止します。

バッテリー容量は Mate 9 から 30% も増え、3G 通話で 22 時間のビデオ再生または WEB ブラウジング、25 時間の 3G 通話を実現しています。充電する際も「SuperCharge」技術によりたった 30 分間で 58% も充電することができます。

Mate 10 のファームウェアは Android 8.0 Oreo + EMUI 8.0 という構成です。EMUI 8.0 には様々な新機能が追加されています。詳細は別の記事で説明しますが、18:9 ディスプレイへの最適化、新しいジェスチャー機能や PC モードと呼ばれるデスクトップ機能の追加などが主な変更点として挙げられます。

Mate 10 は企業での利用も想定した設計となっており、仕事用プロファイルや各種 MDM に対応することはもちろん、新しいプロビジョニングシステム「ゼルタッチ」にも対応しています。

更新 : 製品ページが公開されたので他のスペックを追記します。

Mate 10 にはシングル SIM の ALP-L09 とデュアル SIM の ALP-L29 が存在し、Mate 10 Pro にはシングル SIM 版の
BLA-L09 とデュアル SIM の BLE-L29 が存在します。

Mate 10 の重さは 186g、Mate 10 Pro の重さは 178g で、Micro SD(最大 256GB)も利用できます。フロントカメラは 800 万画素(F2.0)で、Wi-Fi a/b/g/n/ac、Bluetooth v4.2、NFC、DiplayPort 1.2、aptX / aptX HD / LDAC の高音質コーデックに対応しています。USB コネクタは Type-C です。

ALP-L09 と BLA-L09は、GSM 850/900/1800/1900MHz、WCDMA 1/2/4/5/6/8/19、FDD-LTE 1/2/3/4/5/6/7/8/9/12/17/18/19/20/26/28、TD-LTE 34/38/39/40、TD-SCDMA 34/39

ALP-L29 と BLA-L29 は次の周波数帯に対応しています。、

SIM1:
FDD-LTE 1/2/3/4/5/6/7/8/9/12/17/18/19/20/26/28
TD-LTE 34/38/39/40
WCDMA 1/2/4/5/6/8/19
TD-SCDMA 34/39
GSM 850/900/1800/1900MHz

SIM2:
FDD-LTE 1/2/3/4/5/6/7/8/9/12/17/18/19/20/26/28
TD-LTE 34/38/39/40
WCDMA 1/2/4/5/6/8/19
GSM 850/900/1800/1900MHz