Huawei P20(EML-L29)のレビュー

投稿日時 6月 16th, 2018 by juggly 投稿カテゴリ » Androidニュース, ピックアップ記事, ブログ
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Huawei の 2018 年フラッグシップスマホ「Huawei P20(EML-L29)」のレビューをお送りします。

Huawei P20 は昨年国内でも発売された Huawei P10 の後継モデルです。前作と比較して、本体はノッチを持つ全画面デザインに変わり、ディスプレイも 5.8 インチに拡大しました。また、最新の EMUI 8.1 システムや AI に強い Kirin 970 プロセッサ、AI で強化されたライカダブルレンズカメラを搭載しているなど、改良点は歴代最多と言えるほど変わっています。Huawei P10 とは全くの別物だと考えて差し支えないと思います。

まず先に Huawei P20 の基本スペックをまとめておきます。今回入手したのはデュアル SIM 版の EML-L29 で、カラーはミッドナイトブルーになります。

Android 8.1 + EMUI 8.1
5.8 インチ 2,244 x 1,080 ピクセル、IPS LCD(RGBW)
Kirin 970 2.36GHz オクタコア
4GB RAM + 128GB ROM、Micro SD 対応
1,200 万画素(RGB、F1.8) + 2,000 万画素(モノクロ、F1.6)のリアカメラ
2,400 万画素フロントカメラ(F2.4)のフロントカメラ
3,400mAh バッテリー、USB Type-C
Wi-Fi ac、Bluetooth 5、NFC
横幅 70.8mm、高さ 149.1mm、厚み 7.65mm、質量 165g

パッケージの同梱品は、Huawei P20 本体、USB Type-C – USB-A ケーブル、USB 電源アダプタ、イヤホン、3.5mm – Type-C 変換アダプタ、クリアタイプの保護ケース、SIM ピン、取説です。

簡単に感想をまとめますと、私にとって Huawei P20 は持つのにちょうどよいサイズ感の扱いやすい端末で、性能やカメラもなかなか良く、他社のフラッグシップより優れている点ばかり。国内向けモデルと比較するとワンセグやおサイフケータイに対応していないなど、欠点を挙げることはできますが、グローバルモデルの中で見た時、間違いなく Huawei P20 は素晴らしい端末の一つだと言えます。

みなさんが Huawei P20 で特に気になるのは「片手での操作性」ではないかと思います。手の大きさは人によって違うので、私が「持ちやすい」と言っても、それが全ての人に当てはまるとは思っていませんが、6 インチよりも小さな 5.8 インチの端末というのは、やはり片手で楽に操作できましたね。アスペクト比は 19:9 と 18:9 よりもわずかに縦に長く、マルチウィンドウモード時のウィンドウ枠も上下に変更できるので、例えば、動画視聴時にはプレイヤー枠を小さくして、下のアプリ枠を最大限に広げることにより、ながら作業が快適にできます。

標準ではオンスクリーン型のナビゲーションバーが表示されますが(続く)、

設定メニューで「画面外ナビゲーション」にモードを切り替えると、次の写真のように非表示となり、画面の下に備わっている指紋リーダー付きタッチセンサーボタンで端末を操作できるようになります。

片手操作性を良くしているのは全体のサイズ感だけでなく、背面もガラスパネルを採用したデザインに変わったことも大きいと思います。次の写真をご覧になると、バックカバーは、2.5D 仕様のガラスパネルであることがお分かりになると思いますが、この部分が高いグリップ感を提供しており、端末が滑らずにとても持ちやすくなっています。

外観に関して、Huawei P20 は前後ともにフラットな形状で、下部には 2 つのスピーカーホールが見られますが、実際のスピーカーは右側のみです。

ディスプレイに関して、タッチパネルの感度はとても良好。液晶の色味は自然な感じで綺麗に感じました。また、アプリの白い部分がちゃんと白く見えるほど屋外での視認性も良かったです。

次に言及するのは Huawei P20 を長く使っても性能の劣化が殆ど無かったことです。もうかれこれ 1 ヶ月間ほど Huawei P20 を使用していますが、例えばロック画面の解除時に時間がかかることや、ボタン操作のレスポンスが悪くなっているといったことは無く、今でも開封した時に近い状態を維持しています。これはやはり、EMUI に搭載された AI を活用したリソースの最適化機能がしっかりと働いているからだと思います。ちなみに、EML-L29 は 4GB RAM + 128GB ROM を搭載しています。

Antutu のベンチマークスコアは 205,261 点と Snapdragon 845 端末と比較すれば若干劣っているものの、デフォルトの状態で Snapdragon 845 端末との体感的な性能差は感じませんし、Huawei P20 には、例えば画面の解像度を HFD+ から HD+ に下げたり、自動起動アプリを制限したりと、性能をコントロールできる機能もあるため、これらの機能を駆使すると動きは多少良くなると思います。

カメラは Huaewi P20 の中で注目されている機能で、リアカメラの構成は Huawei P10 と変わらず RGB + モノクロのダブルレンズ仕様ですが、960fps のスーパースローモーション撮影に対応し、AI がシーンに合わせて適切な画像補正を適用する AI カメラが導入されています。また、シャッターボタンを押す前後の数秒でショートムービーを作成する「アニメーション写真」機能も追加されています。

まずカメラアプリの UI が新しくなりましたね。メイン画面ではよく使う写真、動画、ポートレート、ワイドアパーチャー、夜間、プロをスワイプのみで切り替える iPhone っぽいレイアウトに変わり、使いやすくなりました。

写真の背景をぼかす機能は最近のスマホに多く搭載されていますが、Huawei P20 の場合、背景をぼかす機能として「ワイドアパーチャーモード」と「ポートレートモード」の 2 種類があります。ワイドアパーチャーモードとは、既存モデルと同様に被写界深度エフェクトを適用する機能になります。注目すべきは「ポートレートモード」です。

Huawei P20 のポートレートモードには、既存の Android スマホではあまり見られない機能も搭載しています。ポートレートモードでも背景をぼかすことは可能ですが、それだけではなく、3D ライティングエフェクト(光の当たり方)や美顔エフェクトを適用することもできるのです。

「3D ライティングエフェクト」というのは、仮想的な光源から発せられる光の当たり具合を 3D モデル化された顔面上に再現するエフェクトを適用できる機能になります。これにはいくつかパターンが用意されており、例えば、「スプリット」を適用すると、ファッション誌でよく混にする顎下の陰影が際立つシックな雰囲気の写真を撮影できます(エフェクトは後で変更することも可能)。Huawei P20 は人の顔を立体的に捉えることができるため、このようなライティングエフェクトを適用できるようになっています。ライティングエフェクトにはスプリットの他、バタフライ、ステージ、ソフト、クラシックもあります。「ステージ」エフェクトは、背景が黒に変わってまるでステージ上のアーティストを撮影している雰囲気になって面白いです。

AI シーンモードの効果の程は撮影毎に変わるため一概にこうだとは言えませんが、数枚のサンプル写真を載せますので、これを見て判断してください。撮影は全てオートモードで撮影しました。

最近の Xperia や Galaxy S9 / S9+ など、ごく一部の機種にしか搭載されていない 960fps のスーパースローモーション動画も Huawei P20 で撮影できます。ただ、Xperia XZ1 と同様にこのフレームレートで撮影すると、動画サイズは 720p に下がり、超スローなカットもほんの数秒に限られます。実際に使用してみると、ごくわずかではありますが、コマ落ちが発生しており、Xperia XZ1 で撮影した超スロー動画よりも滑らかさに欠ける仕上がりでした。これは撮影する場所によって変わるのかもしれませんが、多くの超スロー動画にコマ落ちが見られました。

豊富なカメラ機能の中でも私が一押しなのは意外にも「夜間」モードです。これは長時間露出する撮影モードで、夜景やイルミネーション、星空、暗くてムードの良い場所を撮影する時に程よく明るい仕上がりにします。

具体的に、このモードではシャッタースピード(1/4 秒 ~ 28 秒)と ISO 値(100 ~ 3200)をそれぞれ調節することができます。長時間露出での撮影では、手ブレが仕上がりに大きく影響してきますが、Huawei P20 の「夜間」モードは手ブレを補正する処理を行っており、手持ちでも殆どブレず仕上がりはとても綺麗でした。これはとても気に入りましたね。みなさんもぜひ使ってみてください。

カメラ機能は上記の他にも、HDR、美顔エフェクト(写真だけでなく動画にも適用可能)、パノラマ、3D パノラマ、ライトペインティング、コマ抜き(タイムラプス)、モノクロ、ウォーターマーク、120 / 240fps のスローモーション動画撮影もあります。

フロントカメラは 2,400 万画素のイメージセンサーに変わり、ユーザーの顔を 3D モデル化する「3D フェイスモデリング技術」によって前述の「3D ポートレートライティング機能」だけでなく、フェイスアンロックも実現しています。Huawei P20 のフェイスアンロックはロック画面を解除することにしか使用できませんが、電源 ON と同時にロック画面を解除するだけでなく、スリープ状態から復帰せさて顔認証を行い、ロック画面を表示するモードもあります。

カメラの次はバッテリーの持ちです。バッテリー容量は 3,400mAh とこの画面サイズからすると平均的な容量だと言えますが、スタンバイ時の電力消費が極めて少なく、その結果、長く使用できました。

具体的には、12 時間 3 分の使用時間で残りの容量は 30%。この時の画面点灯時間は 3 時間 48 分です。使い方としては平均的なものだったと思いますが、それでもまだ 6 時間は使用できます(履歴からの予測データ)。平均的なバッテリー容量でありながらも 18 時間持つのは優秀だと言えます。

Huawei P20 の中身は Android 8.1 Oreo + EMUI 8.1 というファームウェア構成で、EMUI 8.1 には様々な Huawei 独自機能と Huawei 製アプリが盛り込まれています。

UI は従来と同様に、iOS っぽいデザインを採用しており、iPhone から乗り換える人にとっては使いやすいかもしれません。また、iPhone の UI が好きな方にも Huawei P20 はおすすめです。

Huawei 独自機能を挙げると、ワンハンド UI、HiTouch、音声アシスタント、モーションコントロール、ナックルジェスチャー、画面分割ジェスチャー、ドロー、グローブモード、電源 ON / OFF タイマー、スマートカバー、簡易モード、アプリロック、プライベートスペース、ファイルの Safe ボックス、ウルトラ省電力モード・・・きりがありませんね。

私はこれらの機能をあまり使用しないので、便利なのは分かりますが、個人的にこれらの大半は不要だと思っています。私のように独自機能を必要としない方は Moto スマホなどのシンプルな端末がおすすめです。

Huawei P20 は Dolby Atmos に対応しており、ヘッドホン経由で空間サラウンドサウンドを体験できます。オーディオモードはスマート、音楽、映画の中から選択することができます。

Huawei P20 はまた USB Type-C 経由でハイレゾ音源を再生することができ、付属のイヤホンも 3.5mm オーディオジャック仕様ですが、同梱の変換アダプタを利用することで、USB Type-C 経由でイヤホンを使用できます。

Huawei P20 はノッチを持つ全画面デザインですが、設定メニューでノッチカラーを黒に変更して目立たなくすることができます。

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