Huawei P10(VTR-L29)のレビュー
Huawei の 2017 年フラッグシップスマートフォン「Huawei P10(VTR-L29)」を入手したのでレビューをお送りします。
Huawei P10 は “ライカ認定のダブルレンズカメラ” で昨年話題となった Huawei P9 の後継モデルで、この記事で紹介する VTR-L29 はデュアル SIM に対応したグローバルモデルの一つで、シンガポールで発売された Huawei P10 を海外の通判サイト Etoren で購入しました。
■ Etoren
URL : https://jp.etoren.com/collections/huawei-p10
Huawei P10 シリーズにはディスプレイサイズとスペックによって 2 モデルが存在し、本記事で紹介しているのは 5.1 インチ画面のスタンダードモデルです。おそらく、国内にも VTR-L29 が投入されることでしょう。
Huawei P10 の特徴は、洗練されたメタルボディ、 Huawei P9 の代表的な機能と言えるダブルレンズカメラを強化した「Leica Dual Camera 2.0 Pro Edition」、そして、機械学習機能によるパフォーマンス劣化防止機能を含む EMUI 5.1 を搭載した点です。フラッグシップモデルなのでスペックは全体的に高めで、システムとアプリの性能もかなり良好でした。
歴代の Huawei P シリーズは製品箱がかなり豪華で、Huawei P10 ではこちらの記事で紹介しているように、上質な印象の化粧箱は観音開きという他社のスマートフォンでは見られない仕様です。また、純正のクリアケースが同梱しており、この手のケースを購入しようとしている方はその手間が省けると思います。
パッケージの中身についてカバー以外は平凡です。USB チャージャー、USB ケーブル、3.5mm オーディオジャックタイプの耳掛けイヤホン、SIM トレイを取り外すためのピン、取説等の書類です。
Huawei P10 の外観はこちらの記事でも紹介していますが、基本的には Huawei P9 の設計を継承しています。きめ細かな表面処理を施したバックカバーから側面にかけて非常に滑らかな仕上がりで、全体的にフォルムがやや丸みを帯びた形に変化しているので、持つ際のフィット感が良くなった印象でした。
ディスプレイサイズが 5.2 インチから 5.1 インチに縮小し、解像度は従来通り 1,920 x 1,080 ピクセルです。画面サイズが小さくなったことで本体の横幅も若干スリムになりグリップしやすくなっています。
私がスマートフォンで重視している部分の一つは、いかに片手で持ちやすく、操作しやすいかです。Huawei P9 でもかなり満足度の高い片手操作性でしたが、Huawei P10 は Huawei P9 を上回るほどの持ち味でした。
下部には USB Type-C コネクタ、スピーカー、マイクがあります。
SIM スロットは左側面です。スロットはハイブリッドタイプなので、デュアル SIM の場合は Micro SD カードは使用できず、Micro SD カードを装着した場合にはデュアル SIM は利用できません。
Huawei P10 の指紋リーダーは背面から前面に移動しており、デスクやテーブル置いた状態で指紋認証でロック画面を解除できるようになりました。また、Huawei P10 の新機能として、指紋リーダーはジェスチャー操作に対応しており、オンスクリーンタイプのナビゲーションボタンの代わりに機能します。具体的には、タップで「戻る」、長タップで「ホーム」、左右のスワイプで「アプリ履歴」を表示します。
Huawei P10 の大きな特徴は背面のダブルレンズカメラです。ハードウェア部分が Huawei P9 からアップグレードされており、DxO Mark Mobile のカメラベンチマークでは特に写真の画質が高く評価されています。
カメラの構成は、1,200 万画素 RGB + 2,000 万画素モノクロのイメージセンサーと F/1.8 レンズ、光学手ブレ補正機能を搭載。Huawei P9 の 4 in 1 高速オートフォーカスや 2 倍の Hybrid Zoom、ワイドアパーチャーモード、透かし挿入、ポートレートモードなどを搭載しています。
実際に写真を撮影してみると、DxOMark Mobile の評価の通り、写真は非常に綺麗に撮影できました。特にオートモードのパラーメータ設定が優秀で、普通に撮影するだけでもほど良い明るさに調整され、例えば、暗い場所だったり、逆光気味のシーンでも満足する画質で撮影できます。
もちろん、Huawei P10 にもマニュアル撮影モードや被写界深度を飼えて撮影できるので、F 値を下げて背景をぼかしたり、シャッタースピードを上げて移動する被写体を鮮明に捉えることもできます。
また、Huawei は GoPro との戦略的なパートナーシップによって、Huawei P10 シリーズのギャラリーアプリにハイライトムービーの作成機能を追加しました。。
フロントカメラはかなり強化しており、Huawei スマートフォンで初めてライカブランドのカメラを採用しています。イメージセンサーは 800 万画素ですが、従来比 2 倍の受光量とされており、レンズについても F1.9 の明るいものを採用しています。
Huawei P10 のパフォーマンスについて、プロセッサが Huawei Mate 9 で導入された最新の Kirin 960 2.36GHz オクタコアにアップグレードしたほか、Huawei P9 での機械学習によるストレージ性能の劣化防止、EMUI 5.1 で実施したカーネル周りのチューニングによって、開封後のサクサク感が長く持続するようになっています。
私は Huawei P10 を 2 週間ほど使用しましたが、確かに性能の劣化は起きにくいようになっていました。具体的には、Xperia XZ で発生しているシステムが時々固まって再起動を余儀なくされる現象は Huawei P10 では今のところ発生していません。
Antutu のベンチマークスコアは 13 万点台と Snadpragon 820 / 821 端末に比べてスコアは 1 ~ 2 万点ほど低いものの、上述のように体感的に差は感じません。
Huawei P10 の中身は Android 7.0 Nougat + 新バージョンの EMUI 5.1 という構成で、Huawie P9 よりも新しい EMUI を搭載していますが、変更内容は主に性能周りの改良に留まっており、機能面に Huawei P9 との大きな違いはありません。
しかし、「標準」スタイルのホームアプリに最近使用したアプリや Flipboard のニュースを表示する便利なダッシュボードや「Safe ボックス」と呼ばれるファイルの暗号化 & 指紋認証機能、HiCloud と呼ばれる独自のクラウドストレージサービス(日本では利用不可でした)が追加されています。
Huawei スマートフォンの機能の中でも節電機能は注目です。消費電力の高いアプリを監視して通知したり、その中でも極端に消費電力の高いものはバックグラウンドでの実行を自動的に停止してバッテリー消費を抑えます。また、画面をrっくした際に特定のアプリの実行を停止したり、必要に応じて画面解像度を HD に下げて描画性能を向上する機能もあります。こうした独自機能によって性能の低下とバッテリーの減りをさらに抑制することができます。
Huawei P10 のバッテリー容量は 3,200mAh で、前作から 200mAh ほど増えました。次のテスト結果では 8 時 16 分に充電を終えて使用を開始し、翌日 14 時 23 分まで 1 日と 6 時間ほど使用できたことになります。画面の点灯時間が占める割合はさほど高くありませんが、感覚的には意外と長くもつ印象でした。
Huawei P9 と比較した場合、正直なところ Huawei P10 で大きく変わった部分や度肝を抜かれるような新機能はありませんでしたが、持ちやすさ、パフォーマンス、カメラ画質、バッテリーを中心にスマートフォンの主要な部分は確実に良くなっており、Huawei P9 から Huawei P10 に乗り換える意義は十分あると言えます。
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