Qualcomm、プレミアムスマホ向け新SoC「Snapdragon 888」を発表

投稿日時 12月 3rd, 2020 by juggly 投稿カテゴリ » Androidニュース
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Qualcomm は 12 月 2 日、スマートフォン向け SoC の新しいフラッグシップモデルとなる「Snapdragon 888」を発表しました。

Snapdragon 888 は 2021 年に登場するプレミアムスマートフォンに向けて投入される製造プロセス 5nm の SoC で、中身を見る限り、現行の Snapdragon 865/865+ からガラリと変わっており、そろそろハイエンドモデルの機種変更をお考えなら少し待って Snapdragon 888 端末にするのが良いかもしれません。

Snapdragon 888 では、製造プロセスのさらなる微細化によって電力効率が大幅に向上していますし、CPU や GPU だけでなく、AI エンジン、モデム、ISP 等の主要な LSI についても殆どが次世代の内容に刷新されています。

CPU は業界で初めて ARM Cortex-X1 を採用した Kyro 680 に刷新されており、処理性能は前世代と比較して最大 25% 向上。また、GPU は Adreno 660 に刷新され、こちらについてもグラフィックスの処理性能が前世代から最大 35% 性能しました。加えて、新たに可変レートシェーディング(VRS)をサポートしたのでゲームプレイ時の性能が最大 30% 向上。また、新たに SnapdragonEliteGaming をサポートし、タッチの応答性が最大 20% 向上しています。HDR 画質のハイクオリティなゲームでもよりスムーズにプレイできるようになりました。

Snapdragon プロセッサで重要なモデムは Snapdragon X60 にアップグレード。これは第 3 世代目の 5G NR 対応マルチモードモデムで、ミリ波と Sub-6GHz の周波数帯を束ねて使用する 5G キャリアアグリゲーションや FDD と TDD にまたがっても OK な Sub-6GHz 帯の 5G キャリアキャリアアグリゲーションを新たにサポートしていますし、世界初の 5nm モデムチップでもあるので前作よりも電力効率の面でも改善されています。

個人的に、Snapdragon 888 で注目しているのはカメラ機能の進化です。Qualcomm として初めてトリプル ISP 構成となった Spectra 580 ISP を搭載しており、3 台のカメラで同時に 2,800 万画素の静止画や 4K HDR の動画を撮影したり、1 秒間に 120 枚の連写も可能となりました。Snapdragon 888 では AI エンジンが第 6 世代へと進化していることもあって画像処理の性能も向上しています。それにより、AI をベースとしたオートフォーカスや自動露出(AE)をサポート。また、3 本の 4K HDR 動画を合成して色やコントラスト、ディテールを補正したクリップを作成することができます。さらに低照度環境向けの新アーキテクチャーを採用したことで暗い場所でもハードウェアレベルで明るく綺麗に補正してくれます。他には、最大 2 億画素の静止画を撮影でき、10bit の HEIF 記録も可能となっています。

Snapdragon 888 でバージョンアップした第 6 世代の AI エンジンは Hexagon 780 プロセッサや 2 倍の計算能力を発揮する TensorAccelerator 等で構成されており、1W あたりの性能が前世代よりも最大 3 倍と飛躍的に向上したので、同じ作業を Snapdragon 888 なら短時間で実行できますし、より少ない消費電力で同じ作業を実行できるようになりました。

Snapdragon 888 ではオンラインでやり取りされるデジタルコンテンツの信頼性を担保する目的で設立された Content Authenticity Initiative(CAI)の仕様に準拠する暗号化シール Truepic をサポートしたので、デバイス上に保存された写真の所有者や改変内容を検証できるようになりました。

上記の他には、Wi-Fi 6E や QuickCharge 5、Bluetooth のデュアルアンテナ化、前世代より 2 倍の 7.3W の出力を持つスピーカー・アンプをサポートしました。

Source : Qualcomm