Spectricity、スマホ写真の色再現性の改善に貢献する世界初のスマホ用マルチスペクトルイメージセンサー「S1」を製品化
ベルギーのベンチャー企業 Spectricity は、スマホカメラが現在抱える課題の一つ、「色再現性の悪さ」を克服する為にスマホ用のマルチスペクトルイメージセンサーを開発し、「S1」という名称で製品化したことを発表しました。
スペクトルセンサーは光を波長ごとに測定・分析・識別する分光装置のことです。一般的なカメラのイメージセンサーは可視光域の光を検出しますが、Spectricity S1 は可視光域から近赤外域までの光を読み取ることができ、さらに、カメラ用イメージセンサーよりも細かい波長幅で色を識別できるようになります。その結果、被写体や物体が持つ色をカメラより正確に読み取ることができ、撮影時のホワイトバランス設定の精度や画像処理の完成度が向上します。
スマホカメラのスペックはここ数年で飛躍的に進歩しており、スマホ一台で事足りる時代になってきていますが、画質面ではまだまだ改善の余地があり、特に色再現性、つまりホワイトバランスの性能に関しては不満が多く噴出しています。最新スマホで写真を撮影したけど、室内だと全体的に色味が変、人肌の色がおかしい、このような経験をした方は多いと思います。こうなる原因の多くはホワイトバランスのオート設定が適切でないからです。Spectricity S1 はこの問題に対処するべく開発されたスマホ用部品となります。
詳細な性能データは公表されていませんが、同社曰く、「市場に出回っているどのマルチスペクトルイメージセンサーよりも驚異的な進歩を遂げています。これまで、これらの仕様を小型チップに収めることができた企業はありません」と述べており、少なくとも業界標準レベル以上の性能をスマホ向けに小型化したと考えられます。
現在、Spectricity S1 は大手スマホメーカーにサンプル出荷されており、各企業内でテストされています。早ければ 2024 年に登場するスマホに実装される見込みです。同社は、市場に出回る全てのスマホに S1 が搭載されることを目指してプロモーションを仕掛けており、それが成功すれば今後私たちが手にするスマホの写真画質は今よりも格段に良くなっているかもれません。
Source : Business Wire
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