Sony Mobileの2018年フラッグシップスマホ「Xperia XZ2(H8296)」のレビュー

投稿日時 4月 4th, 2018 by juggly 投稿カテゴリ » ピックアップ記事, ブログ
キーワード: ,
コメントは受け付けていません。

Sony Mobile の 2018 年フラッグシップスマートフォン「Xperia XZ2(H8296)」のレビューをお届けします。

Xperia XZ2 は 2017 年の秋に発売された「Xperia XZ1」の後継モデルです。Sony Mobile のフラッグシップスマホはほぼ半年のサイクルでモデルチェンジしていることからこの数年、新旧モデルに大きな変化は見られずつまらない印象が続いていましたが、今回の Xperia XZ2 ではフォームファクターから新しくなりまるで別物です。おそらく Xperia XZ1 から乗り換えたとしてもその違いに驚く事間違いありません。そんな印象でした。

約 1 週間のテストの中で感じた Xperia XZ2 の魅力としては、手にしっくりきてとても持ちやすいことです。ありきたりな感想と思われるかもしれませんが、私にとって Xperia XZ2 の大きさ、フォルム、重量感、外装の質感は理想的なものの一つだと考えるほどで、おそらく他の方も似た感想を抱くと思います。また、端末の性能やカメラ画質、オーディオ品質も素晴らしいものでメイン機として最高レベルの一台だと評価しています。しかしソフトウェアに関して特に真新しい部分はほとんど無く、今作でも面白味に欠ける中身だったと思います。この点はユーザーによって受け止め方が変わるので、Xperia XZ2 のシステムがどうだと評価することは難しいところです。

Xperia XZ2 のディスプレイは Xperia シリーズで初めてアスペクト比 18:9 を採用しました。ディスプレイサイズは 5.7 インチなので昨年多く発売された 6 インチ 18:9 スマホよりも一回り小さいサイズです。また、5.5 インチ画面の Xperia XZ Premium と比較してもコンパクトだと分かります。やはり 5.7 インチ 18:9 ディスプレイは持ちやすいサイズだと改めて感じました。

Xperia XZ2 の外装に使用された素材やその配置は基本的に Xperia XZ Premium と同じで、メタルフレームをガラスパネルでサンドウィッチした構造です。Xperia XZ2 は両面のガラスパネルにゴリラガラス 5 を使用しており強度が増しています。もちろん IP68 の防塵・防水にも対応しています。

バックカバーは綺麗な丸みを帯びたフォルムになっているので、Xperia XZ Premium とは異なり手の平に吸い付くような心地よいフィット感でした。この部分はデザインレビューの記事でもご説明した通りです。

外装周りについてさらに言えば、Xperia XZ2 から 3.5mm オーディオジャックが無くなり、SIM カードと Micro SD カードスロットは上部に付きました。デュアル SIM 版の場合、一つの SIM カードトレイと Micro SD トレイは共通です。

3.5mm オーディオジャックは無くなりましたが、USB Type-C の変換アダプタを使用すれば有線ヘッドホンを使用できます。変換アダプタは標準同梱なので別途用意する必要はありません。

また、Xperia XZ1 までずっと側面に配置されていた指紋リーダーは背面に移動し、Pixel スマートフォンのように人差し指のタッチで指紋認証ができます。しかしスワイプして通知を展開したり、カメラのシャッター機能は持ち合わせていません。単純な指紋リーダーとしてしか機能しませんが、側面にあった時よりも指紋の認識精度が良くなっており、ロック解除でミスが減りました。性能や精度や Pixel シリーズ並みと言えるでしょう。

Xperia XZ2 のプロセッサは Qualcomm 最新の Snapdragon 845 です。性能のベンチマーク結果はこちらの記事で紹介していますが、Xperia XZ Premium よりもシステムの滑らかや反応、アプリの画面切り替えがより一層スムーズになった印象でした。これは実感するレベルなので大きな差があると思われます。

Xperia XZ2 のファームウェアは Android 8.0.0 です。バージョン的には Xperia XZ1 や Xperia XZ Premium の最新ファームウェアと同じで、UI デザインが完全に新しくなるなどの大きな変化は見られず、少なからず残念な気持ちもありますが、タッチ音、着信音、通知音、画面ロック音、アラーム音はいずれもリニューアルし、アプリアイコンも多くがリニューアルしています。また、「ダイナミックバイブレーションシステム」という新しいタイプの触覚フィードバック機能が導入されシステム操作時には適度に振動するようになり、まるで UI が生きているかのような反応をバイブレーションで提供します。これを実際に使用すると、Xperia XZ1 世代から大きく変わった印象を受けるでしょう。

ダイナミックバイブレーションシステムのことはこちらの記事で説明していますが、音楽や動画の視聴時には音のリズムやテンポに合わせてリズミカルに振動するので鼓動が伝わってくる感じがします。それだけではなく、アプリの「OK」ボタンやトグルスイッチ、チェックボックスをタッチした時やボリューム等のスライダーを動かす時にも振動するようになっています。システム全体にわたり操作内容に応じて振動フィードバックを提供するスマートフォンはこれまでに見たことありませんので、これはとても新鮮です。

設定メニューを見ていくと、「画面」セクションにはブルーライトカット機能「読書灯」、UI サイズを小さくする「片手モード」、「機器を持ち上げて通知を表示」、「アンビエント表示」、「カバーの選択」といった新オプションが追加されており、また従来の「アシスト」は「Xperia アシスト」に変更され、チャットボットによるヘルプ機能と Sony Mobile からの通知を受信箱で確認できるようになりました。

Xperia XZ2 のカメラは Xperia XZs から続く「Motion Eye」を中心とした構成です。デュアルカメラや AI 機能などは追加されていません。画素数も 1,900 万画素のままですが、スーパースローモーションの画素数がこれまでの 1,280 x 720 ピクセルから 1,920 x 1,080 ピクセルに向上したので、フル HD の適度な画角で動画を撮影できるようになり、映像素材としても十分に使用できる画質になったと言えます。次は写真サンプルです。

また、顔や物体を 3D モデル化する「3D クリエイター」に「セルフィースキャン」機能が新たに追加され、フロントカメラを使って自分一人で自分の顔を 3D モデル化できるようになりました。これで手軽に自分の顔を 3D 化できるので、利便性ははるかに向上したと考えます。

Xperia XZ2 のバッテリー容量は 3,180mAh と 5.7 インチ端末にしては若干少なく、使用時間を気にしている人は多いでしょう。テストでは画面の点灯時間は 3 時間 8 分で、就寝時間を含めた使用時間は約 1 日です。使用中は断続的に減りますが、アイドル時のバッテリー消費はかなり少ないようでした。極端に少ないとかそういう感じではありません。

また、Xperia XZ2 では Qi ワイヤレス充電に対応しており、最大 10W でのワイヤレス充電が可能です。Qi 用のコイルは背面の中央あたりに内蔵しており、多くの Qi ワイヤレス充電器が使用できます。

Xperia XZ2 は Snapdragon 845 を搭載しているため、下り最大 1.2Gbps の LTE 通信やデュアルの VoLTE に対応しています。しかし、国内キャリアの VoLTE は非サポートなので実際の通話では 3G モードに切り替わります。