MediaTek Dimensity 9300発表 、全てBIgコア設計のCPUにより性能が大幅に向上
MediaTek は 11 月 6 日、世界で初めて全 CPU コアを ARM ビッグコアで構成するなどパフォーマンスを大幅に向上させたスマホ向けチップセットの新フラッグシップ「Dimensity 9300」を発表しました。
Dimensity 9300 は第 3 世代の TSMC 4nm プロセスをベースに構築された 5G 対応のプレミアムスマホ向け SoC。前世代 Dimensity 9200 / 9200+ から主要コンポーネントを刷新しており、前世代が霞んで見えるほどの大幅な進化を遂げています。スペックシート上では Qualcomm の最新チップ Snapdragon 8 Gen 3 と同等かそれ以上のパフォーマンスと機能を備えており、Dimensity 9300 は今後より多くのフラッグシップスマホ、ゲーミングスマホ、折りたたみスマホに採用されると予想されます。
最も注目すべきは CPU 構成です。Dimensity 9300 ではこれまでの常識を覆し、オクタコア CPU の全コアに ARM ビッグコアを採用しています。具体的には最大3.25GHz 駆動の ARM Cortex-X4 x4 + 最大 2.0GHz 駆動の ARM Cortex-A720 x4 というコア構成です。
この大胆な CPU 設計の変更により、パフォーマンスはシングルコアで 15%、マルチコアで 40% 向上し、一方、CPU コアの電力制御方法を見直したことでマルチコア動作の電力効率が前世代から 33% 向上したとされています。
また、29% 容量を拡張した 18MB L3 キャッシュを搭載し、ビットレートを最大 9,600Mbps に引き上げた LPDDR5T 規格の RAM もサポートしています。
続いて GPU にはスマホ向けチップセットで初めて ARM Immortalis-G720 MC12 を採用し、幾何学を多用したゲームではピーク性能が最大 46%、電力効率が最大 40% 向上し、28% メモリ帯域幅の削減を実現しています。また、ゲーム用の「HyperEngine」がアップグレードされ、有名ゲーム実行中の電力効率が 15% 向上しており、前世代よりも長い時間ゲームを楽しめるようになりました。
スマホ二搭載された AI 機能を処理する APU には今回初めてハードウェア生成 AI エンジンが組み込まれ、生成 AI タスクの処理において性能と電力効率が大幅に向上した他、LoRA Fusion のサポートも追加されました。
イメージングの分野では最大 320MP イメージセンサーと 8K 30fps 録画をサポート。18bit RAW ISP 設計を採用したことで画像の色と明るさの範囲が広がり、より高精細な写真・動画を撮影できるようになりました。また、ISP と APU を直結する設計を採用したことで、AI エフェクトを用いたビデオを遅延ゼロで処理できるようになりました。他にも、浅い被写界深度エフェクトを適用した 4K シネマティックモード、全画素 AF とロスレスズーム、Android 14 に導入された Ultra HDR 写真のサポート、OIS 手ブレ補正の 3 倍高速化なども新機能に含まれています。
ディスプレイドライバも設計が見直され、高 DPIモードの描画性能が 25% 向上し、4K 120fps 表示や折りたたみスマホのデュアルアクティブディスプレイ、Android 14 の Ultra HDR ディスプレイもサポートしました。
MediaTek によると、Dimensity 9300 を搭載したスマホは 2023 年末までに発売される予定とのことですが、既に Vivo X100 シリーズに搭載されることが判明しています。
Source : MediaTek
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